調査官「いい車ですねぇ」…年収650万円で“ベンツGクラス”に乗る47歳サラリーマン、税務調査で「まさかの追徴課税」に唖然【税理士が警告】

調査官「いい車ですねぇ」…年収650万円で“ベンツGクラス”に乗る47歳サラリーマン、税務調査で「まさかの追徴課税」に唖然【税理士が警告】
(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査といえば、個人事業主や富裕層といった一部の人以外には無関係に聞こえるかもしれません。しかし、実際には誰もが税務調査の対象で、さらに「資産を持っている」ことに無自覚であるほど、税務調査官に狙われてしまいます。今回、多賀谷会計事務所の現役税理士・CFPの宮路幸人氏が、具体的な事例をもとに“思わぬ追徴課税”を防ぐポイントについて解説します。

相続税の課税対象は「経済的価値があるもの“すべて”」

佐藤さんは父親の相続の際、「資産は実家と預金ぐらいで、そんなに難しくなさそうだな」と思ったことから、自ら申告書を作成し提出していました。このとき、相続税のかかるものとして申告した財産は、自宅の土地建物、銀行などの預貯金、有価証券と生命保険金です。

 

父親の形見である腕時計や車などには相続税がかからないと思っていたため、これらは当然相続資産に含めていませんでした。

 

しかし、相続税の課税対象となるのは「経済的価値があるすべてのもの」です。

 

腕時計や車はもちろん、自宅のなかにある家財なども、基本的にはすべて相続税の課税対象財産となります。1つあたり5万円を超えている場合は個別に財産評価を行い、申告の際には財産として加える必要があるのです。

 

高価な家財がなくとも、まとめて「家庭用財産一式10万円」などとして申告するケースが多いです。

車の相続税評価額は「中古車市場流通価格」がベース

車には、軽自動車やワゴンなどさまざまな車種があり、その価格帯も中古車などで数十万円ぐらいのものから、新車で数千万円~数億円するものまでピンキリです。

 

では、車の財産評価額はどのように定められるのでしょうか?

 

車の相続税を評価する方法は、いくつかあります。もっとも多いのは、中古車買い取り業者の「買取査定価格」をもとに算出する方法です。新車として販売されたときの価格ではなく、あくまで相続が開始された時点での相場をもとに算出します。この買取査定価格は、「売買実例価額」や「精通者意見価格」がもとになっています。

 

また、被相続人(今回の事例でいう父)の車が市場にない場合など、例外的に「減価償却方式」による評価をする場合もあります。

「所有者」と「使用者」を必ず確認!…相続時の注意点

相続財産に車がある場合は、「所有者」と「使用者」を必ず確認しておきましょう。今回の事例では、父の名義で購入し、相続後佐藤さんに名義変更を行っていました。

 

父がローンで購入しているような場合には、相続税の計算上、ローン残高は「債務」として相続税評価がから差し引くことができます。

 

また購入時に、お父さん名義ではなく子の名義で購入していた場合は、子に対する贈与であったとして、相続税の計算上、「生前贈与」に加算する必要があります。

 

申告漏れした財産については相続税の本税のほか、ペナルティとして「過少申告加算税」と「延滞税」が課されます。また、故意に財産を仮想隠ぺいして申告した場合、35%~40%の「重加算税」という重いペナルティが課されることとなります。

 

今回のような申告漏れがあった場合、故意に隠していたかどうかというのが大きな争点となりますので、税務調査の際に指摘を受けないよう、相続税の課税対象財産は漏れのないよう計上する必要があります。

 

次ページ“タレコミ”がきっかけで税務調査が入る可能性も…

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