「月9万円の年金でどうやって生活しろと」年収320万円の59歳非正規男性、老後に絶望も…年金事務所職員が教えてくれた「月21万円」まで増やせる“年金受給テクニック”【CFPが伝授】

「月9万円の年金でどうやって生活しろと」年収320万円の59歳非正規男性、老後に絶望も…年金事務所職員が教えてくれた「月21万円」まで増やせる“年金受給テクニック”【CFPが伝授】
(※写真はイメージです/PIXTA)

毎年誕生月に届くねんきん定期便では、自分が将来受け取ることのできる年金受給見込額を確認することができます。ただし、その額に満足できる人は、ほんのひと握りでしょう。そこで今回、株式会社よこはまライフプランニング代表取締役の井内義典CFPが、将来の年金受給額を大幅に増やす“テクニック”について、具体的な事例をもとに伝授します。

70歳まで働く+10年繰下げで年金額は「月21万円」に

Aさんがいまの条件で70歳まで厚生年金に加入し続け、年金受給を5年繰下げるとどうなるでしょう。

 

65歳時点での年額126万円に対して42%ですから、

 

126万円×0.42=約53万円

 

約53万円の増額です。さらに65歳から70歳まで厚生年金加入で年額18万円増えますので、その結果、126万円+53万円+18万円で最終的な年金受給額は197万円、月額に直すと16万円以上になるでしょう。

 

また、10年繰下げて年金受給開始を75歳にすると84%の増額ですから、

 

126万円×0.84=106万円

 

106万円が増額され、65歳から70歳までの厚生年金加入分18万円を加えて

 

126万円+106万円+18万円=250万円

 

となります。これは月額に直すと約21万円です。

 

「月21万円あれば、なんとかなりそうだ!」と安心したAさん。体調や状況などにより何歳まで繰下げできるかは左右されますが、1度選択すれば増額した金額で一生涯年金をもらえることになります。Aさんのように「年金を増やしたい」「老後にゆとりを持たせたい」と考えている人は、繰下げ受給も視野に入れておくといいでしょう。

 

年金事務所で、繰下げ受給制度の具体的な話について聞いたAさんは「引き続き働かなければいけないな」と気を引き締める一方、「いまのところ健康だし、こうなったら受け取れる年金を増やせるだけ増やそう」と、今後の生活について少し前向きになれました。

 

「相談していなかったら、ずっと『月9万円』という数字が頭から離れなかっただろうと思います」と話し、年金事務所を後にしました。

 

企業年金の代わりに「iDeCo」の検討も

今回見てきたように、59歳の誕生日に届く「ねんきん定期便」に記載の額はあくまで59歳時点での見込額で、年金が増える余地はまだあるのです。

 

なお、もし60歳以降65歳前に退職し、厚生年金に加入しなくなった場合は、65歳までであれば国民年金に任意加入できます。こうして国民年金保険料と付加保険料を納めることで、老齢基礎年金と付加年金を増やすことが可能です。

 

厚生年金と比べると年金増額の効果は弱いですが、健康上の理由などにより早めに退職する場合で、将来の年金受給額を少しでも増やしたいのであれば、加入するといいでしょう。

 

また、これといった企業年金などもないAさん。65歳まで、iDeCo(個人型確定拠出年金)に加入することもできます。加入できる期間は短いかもしれませんが、給与などから少しでも掛金を拠出できるのであれば、こちらも検討する価値があるでしょう。

 

 

井内 義典

株式会社よこはまライフプランニング代表取締役

特定社会保険労務士/CFPⓇ認定者

 

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※個人情報保護のため、登場人物の情報は一部変更しています。

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