親にイライラして仕方がない、つい怒ってしまう
親や家族に対してイライラしてしまうという “怒り ”に悩んでいる方は、本当に多いと感じます。
こういった親へのイライラは、複数の葛藤を伴う気持ちが、はっきりせずに漠然と感じられることから生じている可能性があります。
加えて、怒りはほかの感情とは違う役割を持っている側面があります。
さらに、“怒り”は非常に大切な感情ですが、抱えにくく、扱いが難しい感情でもあります。
ここでは、“イライラ”という比較的程度が軽いレベルから、“強烈な怒り”という重いレベルまで取り上げて、それぞれの理解を深めることで、“怒り”という感情を上手に抱えられる助けになるよう整理します。
怒りの奥には「ほかの感情」が隠れている
“怒り”は二次感情として有名です。
怒りには、一次感情である「悲しい」「不安」「ショック」などの「本当の気持ち」が隠されているので、一次感情を見つけてあげることが大切だとされています。
怒りは、「あらゆる感情の矢面に立つ感情」と表現されることもあります。
たとえば、「親が老いていることを実感して悲しかった」感情をごまかすためにイライラが出たのかもしれません。
「好きでいたいのに嫌いになってしまいそう…」というやるせなさをなんとかしようとして、二次感情の怒りになったのかもしれません。
「親の手助けをしたいけれど、この先どうなるのか…」という不安によるイライラかもしれません。
このように、親に対してイライラしたら、「一次感情はなんだろう?」とご自身の気持ちを探してみてください。怒りの奥にある感情が見つかると、イライラが静まり、適切な対処につながりやすくなります。
加えて、怒りやイライラが二次感情として出ているとしたら、「なんとか現状に対処したい」という思いゆえと捉えられることが多いです。一次感情に圧倒されないように無意識で「がんばらなきゃ」としているように思います。
そんながんばり屋さんのご自身にも、ぜひ気づいてあげてください。
イライラはSOSのサイン
頻繁にイライラする原因に、我慢の蓄積があります。
日ごろ我慢していれば、些細なストレスがキャパシティオーバーの最後の一滴となり、「つい怒ってしまった」という行動を引き起こします。
イライラすることが増えたとき、まずは「疲れが溜まっていないか」「我慢し過ぎていないか」とご自身の疲労とストレスに目を向けてみましょう。
疲れやストレスが溜まっている場合には、ただ「イライラしないように」と律してしまうとさらに我慢を重ねることになるので、逆効果になってしまいます。
そこで、「イライラはSOSのサイン」と捉えて、これ以上我慢を重ねないためにできることを考えてみましょう。減らせる負担は減らし、休息の時間を増やしたり、リフレッシュする機会を作ったりするなど、疲れを少しでも癒す対処をとることが有効です。
【対策】「自分で自分を守る」という意識を持つ
別の視点では、怒りは原理的には「戦うか逃げるか」に向かうための情動と言えます。
この観点から考えると、会うたびにイライラするということであれば、「何か脅かされている」ような感覚が生じているのかもしれません。
「自分のスペースに無断で入ってこられる」といった不快感や、「また何か嫌なことをされるのではないか」というような警戒心が刺激されている可能性があります。
そのようなときは、ここからは決して入れさせないという境界線を、しっかりご自身の中で決めておくことが有効策になることがあります。
たとえば親と会うとき、自宅に招くのではなく外で会うことで、自分のプライベート空間には侵入させないようにしてみる…などが具体的な対策例です。
「自分で自分を守ることができる」という意識をしっかり持つことができると、イライラが軽減されていくことがあります。
もし、親と距離を置こうとしているのに、うまく距離が取れないとしたら、それこそ「毒親」と言えるかもしれません。
実際、機能不全家庭であると、親と完全に縁を切ることでしか自分を守れないケースは非常に多いです。
親とだんだんと離れていくことができないようなときは、親側の問題が深刻であると受け止めたほうがいいかもしれません。そのようなときは、親の勢いに流されず、きっぱりとした意思表示と対策が必要になることもあります。
----------------------------------------
<本稿のまとめ>
●“イライラ”“怒り”は自分の本心を見つける手掛かりになる。
●イライラしたら、一次感情を探してみる。
●自分で自分を守り、親の勢いに流されないことが大切。
----------------------------------------
心理カウンセラー 寝子
臨床心理士。公認心理師。スクールカウンセラーや私設相談室カウンセラーなどを経て、現在は医療機関で成人のトラウマケアに特化した個別カウンセリングに従事。トラウマの中でも、親子関係からのトラウマケアと性犯罪被害者支援をライフワークとしている。
臨床業務の傍ら、X(旧Twitter)で心理に関する発信をし始め、フォロワー1.5万人超え(2024年1月時点)。対処法よりも自分を理解することに重きを置いた内容が支持され、ブログ記事は「探していた答えが書いてあった」「自分の状態がクリアに理解できた」と評判になっている。
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>
注目のセミナー情報
【税金】11月27日(水)開催
~来年の手取り収入を増やす方法~
「富裕層を熟知した税理士」が考案する
2025年に向けて今やるべき『節税』×『資産形成』
【海外不動産】11月27日(水)開催
10年間「年10%」の利回り保証
Wyndham最上位クラス「DOLCE」第一期募集開始!
【事業投資】11月28日(木)開催
故障・老朽化・発電効率低下…放置している太陽光発電所をどうする!?
オムロンの手厚いサポート&最新機種の導入《投資利回り10%》継続を実現!
最後まで取りつくす《残FIT期間》収益最大化計画