多くの人が悩んでいる…「親にイライラして仕方がない、つい怒ってしまう」の“隠れた原因”【Xフォロワー1.5万人・心理カウンセラーが解説】

多くの人が悩んでいる…「親にイライラして仕方がない、つい怒ってしまう」の“隠れた原因”【Xフォロワー1.5万人・心理カウンセラーが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

親にイライラして仕方がない、つい怒ってしまう。優しく接したいのに、イライラしてきつい態度を取ってしまい、自己嫌悪を重ねてしまう…。このような悩みや苦しみを抱える人は少なくありません。本稿では、心理カウンセラー・寝子氏の著書『「親がしんどい」を解きほぐす』(KADOKAWA)より一部を抜粋し、「今のしんどさ」を軽くするヒントを紹介します。

親にイライラして仕方がない、つい怒ってしまう

親や家族に対してイライラしてしまうという “怒り ”に悩んでいる方は、本当に多いと感じます。

 

こういった親へのイライラは、複数の葛藤を伴う気持ちが、はっきりせずに漠然と感じられることから生じている可能性があります。

 

加えて、怒りはほかの感情とは違う役割を持っている側面があります。

 

さらに、“怒り”は非常に大切な感情ですが、抱えにくく、扱いが難しい感情でもあります。

 

ここでは、“イライラ”という比較的程度が軽いレベルから、“強烈な怒り”という重いレベルまで取り上げて、それぞれの理解を深めることで、“怒り”という感情を上手に抱えられる助けになるよう整理します。

怒りの奥には「ほかの感情」が隠れている

“怒り”は二次感情として有名です。

 

怒りには、一次感情である「悲しい」「不安」「ショック」などの「本当の気持ち」が隠されているので、一次感情を見つけてあげることが大切だとされています。

 

怒りは、「あらゆる感情の矢面に立つ感情」と表現されることもあります。

 

たとえば、「親が老いていることを実感して悲しかった」感情をごまかすためにイライラが出たのかもしれません。

 

「好きでいたいのに嫌いになってしまいそう…」というやるせなさをなんとかしようとして、二次感情の怒りになったのかもしれません。

 

「親の手助けをしたいけれど、この先どうなるのか…」という不安によるイライラかもしれません。

 

このように、親に対してイライラしたら、「一次感情はなんだろう?」とご自身の気持ちを探してみてください。怒りの奥にある感情が見つかると、イライラが静まり、適切な対処につながりやすくなります。

 

加えて、怒りやイライラが二次感情として出ているとしたら、「なんとか現状に対処したい」という思いゆえと捉えられることが多いです。一次感情に圧倒されないように無意識で「がんばらなきゃ」としているように思います。

 

そんながんばり屋さんのご自身にも、ぜひ気づいてあげてください。

イライラはSOSのサイン

頻繁にイライラする原因に、我慢の蓄積があります。

 

日ごろ我慢していれば、些細なストレスがキャパシティオーバーの最後の一滴となり、「つい怒ってしまった」という行動を引き起こします。

 

イライラすることが増えたとき、まずは「疲れが溜まっていないか」「我慢し過ぎていないか」とご自身の疲労とストレスに目を向けてみましょう。

 

疲れやストレスが溜まっている場合には、ただ「イライラしないように」と律してしまうとさらに我慢を重ねることになるので、逆効果になってしまいます。

 

そこで、「イライラはSOSのサイン」と捉えて、これ以上我慢を重ねないためにできることを考えてみましょう。減らせる負担は減らし、休息の時間を増やしたり、リフレッシュする機会を作ったりするなど、疲れを少しでも癒す対処をとることが有効です。

【対策】「自分で自分を守る」という意識を持つ

別の視点では、怒りは原理的には「戦うか逃げるか」に向かうための情動と言えます。

 

この観点から考えると、会うたびにイライラするということであれば、「何か脅かされている」ような感覚が生じているのかもしれません。

 

「自分のスペースに無断で入ってこられる」といった不快感や、「また何か嫌なことをされるのではないか」というような警戒心が刺激されている可能性があります。

 

そのようなときは、ここからは決して入れさせないという境界線を、しっかりご自身の中で決めておくことが有効策になることがあります。

 

たとえば親と会うとき、自宅に招くのではなく外で会うことで、自分のプライベート空間には侵入させないようにしてみる…などが具体的な対策例です。

 

「自分で自分を守ることができる」という意識をしっかり持つことができると、イライラが軽減されていくことがあります。

 

もし、親と距離を置こうとしているのに、うまく距離が取れないとしたら、それこそ「毒親」と言えるかもしれません。

 

実際、機能不全家庭であると、親と完全に縁を切ることでしか自分を守れないケースは非常に多いです。

 

親とだんだんと離れていくことができないようなときは、親側の問題が深刻であると受け止めたほうがいいかもしれません。そのようなときは、親の勢いに流されず、きっぱりとした意思表示と対策が必要になることもあります。

 

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<本稿のまとめ>

●“イライラ”“怒り”は自分の本心を見つける手掛かりになる。

●イライラしたら、一次感情を探してみる。

●自分で自分を守り、親の勢いに流されないことが大切。

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心理カウンセラー 寝子

 

臨床心理士。公認心理師。スクールカウンセラーや私設相談室カウンセラーなどを経て、現在は医療機関で成人のトラウマケアに特化した個別カウンセリングに従事。トラウマの中でも、親子関係からのトラウマケアと性犯罪被害者支援をライフワークとしている。

臨床業務の傍ら、X(旧Twitter)で心理に関する発信をし始め、フォロワー1.5万人超え(2024年1月時点)。対処法よりも自分を理解することに重きを置いた内容が支持され、ブログ記事は「探していた答えが書いてあった」「自分の状態がクリアに理解できた」と評判になっている。

 

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※本連載は、心理カウンセラー・寝子氏の著書『「親がしんどい」を解きほぐす』(KADOKAWA)より一部を抜粋・再編集したものです。

「親がしんどい」を解きほぐす

「親がしんどい」を解きほぐす

寝子

KADOKAWA

●自分がどんなに疲れていても、親の頼みをつい聞いてしまう。 ●親子喧嘩でひどい言葉を言ったり、言われることが多い。 ●親に会うと、理由なくイライラしてしまう。 ●話を聞いてほしいのに、話が通じていない気がする。…

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