ランナーが脱ぎ捨てた3,500kg分の防寒着をリユース…SDGsに向けた「東京マラソン」の取り組み

ランナーが脱ぎ捨てた3,500kg分の防寒着をリユース…SDGsに向けた「東京マラソン」の取り組み
画像:PIXTA

毎年3月の第1日曜日に開催され、国内外から3万8,000人ものランナーが集う東京マラソン。その運営を担う東京マラソン財団は、さまざまなランニングイベントを通じた、スポーツを楽しむ場の提供、市民の健康づくり、スポーツボランティアの育成に取り組んでいる。本記事では、東京マラソンとSDGsの関係性について、同財団の経営企画室長である酒井謙介氏が解説する。

SDGs関連の団体へのチャリティも

サイクルグッズの販売も
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東京マラソンを特徴づけるもう1つのSDGsの取組みが、東京マラソンチャリティである。

 

東京マラソンチャリティは、財団に登録したSDGsに資する取組みを実施する認定NPOや公益法人への寄付を促す仕組みだ。各団体への寄付金額に応じて寄付者は任意で東京マラソンへのチャリティランナーとして出走できる。


登録している団体は、海外で活動する団体から国内の地域で活動する団体まで多岐にわたり、来年3月の東京マラソン2024チャリティでは、39の団体が参加し、これらの団体への寄付金は過去最高の8億円以上にのぼった。

 

1回の大会チャリティで100億円近い寄付金を集めるロンドンマラソンチャリティなど、東京マラソンも加盟するアボット・ワールドマラソンメジャーズの他大会のチャリティに比べると、8億円というのは、決して大きな数字ではない。だが、欧米発の「スポーツを通じた社会貢献」という文化が徐々に浸透してきていると認識している。

紙コップ問題などマラソンイベントの課題を今後も解消していく

最後に東京マラソン財団が昨年11月からスタートした、ランニングと環境に関する新たな取組み、グリーンマイレージプログラムについてご紹介したい。

 

このプログラムは、ランニングイベントの参加者全員の総走行距離をマイル(1.6km)換算し、1マイルあたり100円を緑の創出や保全を行う団体の活動に財団から寄付する仕組みだ。


夏の猛暑日の増加や冬の雪不足などにより、ランニングをはじめとした屋外スポーツの実施環境は、地球温暖化の大きな影響を受けている。

 

プログラムの目的は、スポーツを楽しむ環境を守ることやランナーへのスポーツと環境に関する啓発で、趣旨に賛同する他の主催者によるランニングイベントも対象としている。プログラムの第1号の協力企業には、走る場としての道との親和性、開発と環境保全の両立という観点から日本道路株式会社に手を挙げて頂いた。

 

今後も企業の協力も得ながら、対象イベントを増やし、ランナーの環境保全に対する意識向上に努めていきたい。


ランニングイベントには、大会での給水用の紙コップの問題など、コスト面での制約があるなかで取り組むべき課題はまだまだある。全国で開催されるマラソン大会の数は100を超えると言われており、個々の大会での取り組みの影響は小さくとも、それぞれの大会がSDGsの課題に取り組めば大きなインパクトがある。

 

私たちの取り組みがその大きな流れを作る一端となればと願っている。

 

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酒井 謙介

1973年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業後、(株)日立製作所、東京都庁を経て、2014年より一般財団法人東京マラソン財団所属。現在、経営企画室長。

 

 

 

 

 

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※本連載は、SDGsを実践する企業を支援するWebサービス「coki」からの抜粋転載です。

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