「高額介護サービス費制度」を活用しよう
介護で必要な自己負担額は、「高額介護サービス費制度」で安くなります。
「介護保険」には、自己負担額があまり大きくならないように、一定額を超えたらそれ以上は請求すれば払い戻しを受けられる制度があり、これが「高額介護サービス費制度」。
この制度を使うと、年収約770万円(課税所得380万円)未満なら、世帯で月4万4,400円を超える分はかからないようになっています。これなら、安心でしょう。
ただし、2021年の8月に年収約770万円以上と1,160万円以上の人には新しい上限ができ、たくさん稼いでいる人の上限は引き上げられました。
けれど、たくさん稼いでいるので、負担できないことはないでしょう。
こうした制度を駆使すれば、介護費用は、知らない人が想像するほどにはお金がかかりません。冒頭のように3,000万円かかるのではないかと思う人が多いけれど、実際に介護を経験した人がかかった費用は1人約600万円とのこと。
これは、あくまでも平均値なので、長く寝込んでしまったらもっとかかるでしょうが、今のご老人は、現金だけでなく持ち家や田畑などの資産を持っている方が多い。最終的には、それらの処分を検討することも親と相談しておいてはどうでしょうか。
荻原 博子
経済ジャーナリスト
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」
■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ
■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】