投機商品が長期の「資産形成」に不向きなワケ
投資と投機の違いは、投資の時間軸にも影響を及ぼします。
投機の場合、それらを長期間にわたって保有し続けたとしても、価値は自己増殖しません。それは、お財布に入れた1万円札が1万1,000円にならないということからもお分かりいただけるでしょう。
したがって、収益を得るためには価格変動に頼るしかなく、その価格変動も、常に上昇し続けるものではありません。その時々の需給バランスによって、価格は上がったり、下がったりを繰り返します。
株価のように企業の業績・キャッシュフローをベースにトレンドを形成して長期間、値上がりを続けるようなことにはならないのです。つまり投機の対象となる商品で一定の収益を得るためには、基本的に短期の値動きを狙った売買になります。
でも、株式のような投資は別です。前述したように、株価は企業価値の持続的な向上によって、長期的に値上がりするという性質を持っています。
設備投資やM&Aによって成長が加速したり、複利効果で収益が加速する効果も重要なポイントです。したがって、株式は長期投資に耐えられるのです。これは、その株式を組み入れて運用する投資信託も同じと考えて良いでしょう。
ちなみに投機の一種として挙げた「バイナリーオプション」ですが、これはたとえば1時間後の為替レートが円高になるのか、それとも円安になるのかを当てる、一種の丁半博打のようなものです。
価値の増殖などは全く関係なく、単に対象物の価格変動の方向性を当てるだけの商品ですから、投資でも何でもありません。
ここまで申し上げると、多くの方にはご理解いただけるかと思いますが、投機商品は長期の資産形成には全く不向きです。
それはそれで、遊びでと割り切れるなら、多少の資金でやってみるのは良いと思いますが、長期の資産形成をめざすのであれば、投機的な商品には手を出さず、あくまでも投資商品で行うことをお勧めします。
中山 大輔
元JPモルガン・アセット・マネジメント ファンドマネジャー
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
