求人メッセージには「書いた通りの人が来る」という法則がある
先日、関東地方でベビー用品を通販する企業から、人手不足に関する相談を受けました。同社は、受注は順調なのですが、配送の人材不足が深刻化しており、現場が逼迫していました。
社長のもとには、現場から毎日のように、悲鳴とも言うべき増員の要請が来るので、募集賃金を引き上げた上で求人をしようと考えていました。
しかし、一時しのぎの対策は、かえって自分たちの首をしめるという結論に至り、根本対策に着手する決意を固めました。
社長にヒアリングをした結果、同社の求人メッセージには、賃金や労働条件などの待遇面しか書かれていないことが分かりました。
求人メッセージには「書いた通りの人が来る」という法則があります。待遇面を全面に打ち出すと、それに関心が高い人ばかりが応募してきます。実際に、同社では、仕事への興味が薄い人からの応募が多かったと言います。
仕事への興味が薄いと、どうしても所定時間働き、労働の対価を受け取るという受動的な働き方になりがちです。挑戦意欲に欠け、指示しないと動かないので、管理職は大変になります。離職率も高くなるでしょう。
社長は、働き甲斐を持って、自ら仕事を愉しめる人を求めています。求める人材と、応募してくる人材との間に、決定的な意識のズレがあったのです。ミスマッチを修正すれば、働きがいを求める人からの応募が増えて離職率も下がり、人手不足の根本解決になると考え、求人活動を見直すことにしました。
欲しい人材をたくさん集める4つの実務
改善の実務手順は次の通りです。
1.欲しい人材像を明確にする
2.その人材が自社で働くメリットを挙げる
3.既存社員で、そのメリットを享受している人をピックアップする
4.最適な求人媒体を定め、求人メッセージで、メリットとともにその社員の様子を伝える
人材像に関しては、「子育てママの応援をしたいという気持を持った人」「他者への思いやりと貢献意欲が高い人」「自発性が高く、仕事を任せられることに喜びを感じる人」が挙がりました。
私が、「既存社員で理想に近い方はいませんか?」とお聞きすると、社長はAさんという女性社員を挙げました。
そこで私は、「Aさんは、仕事からどんな喜びを得ていますか?」とお聞きしました。すると、「業務改善のアイデアを自分たちで考え実践するので、やり甲斐を感じている」「仲間同士で助け合いながら業務を進めるため、いつも感謝の気持を感じている」「顧客から“梱包・配送が迅速丁寧でした”という喜びの声をいただき、仲間と喜びを分かち合うのが嬉しい」といったことが挙がりました。
社長は、「Aさんに、“このような喜びがもっと得られる職場にしたい”と伝えたら、喜んで協力してくれるだろうな」と言っていました。社長が口にした、これらのことを求人メッセージに書くのです。求人媒体として、フォロワー数が多い自社のインスタグラムで試すことにしました。
同時に、既存社員に対しても伝え、「これから入る新入社員とともに、こんな素晴らしい会社を作っていこう」という機運を作ります。きっと、Aさんがその機運を高める立役者になってくれるでしょう。
同社には、すでにAさんという最高のモデルがいますが、モデルとなる社員が1人もいない場合は、既存社員と対話し、そうした会社になる決意を固めることから始めなければなりません。
求人メッセージには「これからそういう会社を目指していきます。一緒に作ってくれる仲間を募集しています」と伝えるのです。決意表明を公言するわけですから非常に勇気が要りますが、採用を機に企業が変容するチャンスになります。
賃上げをしても人手不足の解消には限界があります。根本対策に着手し、付加価値の高い企業に成長することが、人材確保と賃上げの好循環を実現する王道だと考えています。
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