つみたて投資枠と成長投資枠の使い分け
新NISAの2つの投資枠の使い分けという意味では、枠の大きさ(投資可能な限度額)が異なるので、積み立て(買い付け)したい金額に応じて使い分けるのが基本です。
特に50代、60代の人は既に保有しているまとまった資産を投入できる可能性が高いので、つみたて投資枠の年間120万円では収まらず、成長投資枠(年間240万円)も使って投資することになると思います。
転職の際に支払われた退職一時金、相続で手にしたまとまった資金など、突発的に入った大きなお金も成長投資枠が使い勝手のいい受け皿となります。
もう一つは、株式を投資対象とするなら成長投資枠でしか買えませんし、つみたて投資枠の対象商品にはなっていない投資信託やETF(上場投資信託)を購入したい場合も成長投資枠で購入することになります。
逆に、つみたて投資枠の対象商品になっている投資信託やETFは成長投資枠でも購入可能です。
つみたて投資枠に引き継がれるつみたてNISAの対象商品は徐々に増えて、2023年9月15日現在約250本(ETF8本含む)となっていますが、長期・積み立て・分散に適した投資信託として、日本で販売されている約6000本のうち4%程度にまで絞り込まれた商品群です。
投資初心者や、投資対象についてあまり時間を割いて考えたくないという人は、この中から検討するのがいいでしょう。
成長投資枠でも積み立て投資を基本に
商品を買い付ける方法は、つみたて投資枠はもちろん、成長投資枠を含めて「積み立て」で機械的に買う仕組みを利用するのがいいと私は思います。
購入タイミングの分散を図ることができて、購入する際に「今が買い時か」と悩んだり「昨日買えばよかった」みたいに後悔するストレスも避けられます。
特に投資信託は、買い付け時に「価格がいくらだったら買う」という指し値での購入ができないので、積み立てが向いています。
成長投資枠でしか買えない株式でも、株式累積投資(るいとう)や単元未満株取引などの仕組みで積み立てができる証券会社があります。
もっとも株式では多くの場合、自分で数量と価格を決めて買い付け注文を出すことになります。
その際には、長期的に成長しそう、利益を上げ続けてくれそうと思える銘柄であれば、タイミングをあまり気にせずに買うのがいいと思います。「株価が割安になったら買おう」などと思っていると、永遠にそのタイミングは来ないかもしれません。