(※写真はイメージです/PIXTA)

嫁と姑はよく揉める……そんなイメージはもう古いかもしれません。「自分の面倒を見てくれている長男とその嫁に遺産を渡し、家に寄り付かない子どもたちには遺産を渡したくない」という相談を耳にすることがあると、ベリーベスト法律事務所の代表・萩原達也弁護士はいいます。そこで今回、相続トラブル回避の手法として一般的な遺言書をはじめ、「相続権のない相手」に財産を渡す“とっておきの方法”を、萩原弁護士が解説します。

まだまだある…“長男の嫁”に財産を渡す手段

生命保険

どうしても長男の嫁に多額の財産を残したいという場合には、生命保険を利用するのも効果的です。

 

生命保険に加入し、死亡保険金の受取人を長男の嫁に指定しておくことで、自身が亡くなった後、長男の嫁に多額の死亡保険金が支払われます。保険会社から支払われる死亡保険金は相続財産には含まれませんので、遺留分の問題が生じることはありません。

 

ただし、長男の嫁は死亡保険金の受取人には指定できないとする保険も多いため、その点は加入の際や受取人の変更の際に確認しましょう。

 

生前贈与

生前贈与は、自分が生きている間に、他人に無償で財産を与える方法です。遺言書や生命保険とは異なり、生前に財産を渡すことができるという点がポイントです。

 

生前贈与をすると、贈与額に応じて贈与税が課税されますが、1月1日から12月31日までの1年間の贈与額が110万円以下であれば、贈与税は課税されません。そのため、早めに生前贈与をスタートすることで、より大きな節税効果を得ることができます。

 

なお、相続人以外への生前贈与は、相続開始前1年以内に行われたものに限り、遺留分の計算に含まれてしまいます。そのため、亡くなる直前に多額の生前贈与をしてしまうと、遺留分に関する紛争にまきこまれるおそれがありますので注意が必要です。

 

養子縁組

長男の嫁には、相続権はありませんが、養子縁組をすることにより、相続権を与えることができます。養子となった長男の嫁は、義両親の他の子どもと同順位の相続人になりますので、等しい割合で遺産を相続することが可能です。

 

ただし、遺産を相続するためには、相続人による遺産分割協議が必要になりますので、遺産争いには巻き込まれます。養子縁組と併せて、遺言書を作成することが重要です。

 

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※本記事は、公開日時点の法律をもとに執筆しています。

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