(※写真はイメージです/PIXTA)

「上がらない手取り」と「物価高」に、疲弊する国民の声が聞かれる昨今。首相による経済界への「賃上げ要請」に続いて、首相や閣僚等「特別職公務員」の給与引き上げ法案が可決され、批判の声は増すばかりです。

首相や閣僚等の「給与引き上げ」法案可決

17日、首相や閣僚等「特別職公務員」の給与引き上げについて法案が可決されました。年間引き上げ額は首相が「約46万円」、閣僚が「約32万円」です。国会議員のボーナスは年間「約18万円」増額されます。

 

内閣官房『主な特別職の職員の給与』によると、内閣総理大臣の俸給は月額201万円。さらに、地域手当が月額40万2,000円。期末手当(年間3.35月分)も含めると、年間の給与額は約4,032万円となります。一部を返納し、2022年度の首相の所得は3,864万円であったことが公開されています(原稿料・出演料等を含む)。

 

国家公務員の給与引き上げにともなうものであり、首相らは増額分について自主返納をするとも明らかにしていますが「返すなら最初からもらわなければいいのに」「いつもは検討に検討を重ねているくせに、こういうときは早いのか」などと批判の声が相次いでいます。

 

「上がらない手取り」と「物価高」に苦しめられている国民の感情を逆撫ですることとなりました。

 

なお、国家公務員の給与引き上げは民間企業の給与上昇に合わせたもので、8月の「人事院勧告」にて勧告されていました。優秀な人材確保のため、国家公務員の給与や待遇改善は急がれるところでしょう。

 

とはいえ、特別職については別の話です。一般職の国家公務員の給与に特別職が歩調を合わせるのは慣例ではありますが、必ずしなければならないことではありません。

経済界への賃上げ要請

さて首相は15日、経済界に対し「今年を上回る水準の賃上げの協力を」と要請していました。政府としては賃上げ税制の拡充や所得税などの定額減税を検討し、「官民連携により、来年に向けて賃金を含めた可処分所得が物価を超えて伸びていくよう取り組んでいく」ということです。

 

現状では、「賃金が多少上がったところで手取りは変わらない」というのが実態です。むしろ賃金の上昇により社会保険料の等級が変わり、手取りが減ってしまうことすらあります。

 

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