③成績アップにつながる勉強を目指そう
計画を立てて行動するだけという状況をつくったら、あとはそれを実行していくわけですが、それが目的になってしまわないよう注意が必要です。最終的な目標は学習計画を実行することではなく、それを実行して成績を上げて志望大学に合格することです。
今日は12時間も勉強できたぞ、という達成感だけで満足していては、その1日で本当に志望大学までの距離を縮められたかどうかは分かりません。成績を上げるには、できなかったところができるようになって、それまで落としていた点数を取れるようになることが必要です。
自学自習に取り組む人は、まず自分がやっていることが本当に成績を上げるための勉強になっているかどうかを、シビアに検証する必要があります。というのも、成績向上につながらない間違った勉強をしている人があまりにも多いからです。
勉強そのものが楽しいとか志望大学合格という目標が特にない人なら、その人なりの勉強で結構。しかし受験生は志望大学に合格するための勉強にフォーカスする必要があります。ところが実際は、成績アップの意味さえ分かっていない人が少なくありません。
成績はこれまでできなかったことができるようになることで向上します。テストであれば、これまで解けなかった問題が解けるようになることで点数が上がります。
つまり成績向上のためには、①できない問題・領域がどこかを見つける ②できない問題・領域に対して解決策を実行する、という2つのプロセスが必要となります。
これは明確な目的意識をもっていないと実行できないプロセスで、漫然となんとなく勉強しているうちは絶対に不可能です。勉強しているのに全然成績が上がらない、と嘆く人の多くは、勉強をこなすことだけが目的になっていて、自分の弱点を積極的に見つけようとしていません。すでにできているところを何度もやったり、できていない問題も解答を見てなんとなく分かった気になったりして、必要な解決策を実行できていないのです。
こなすだけの勉強ではなく、これまで解けなかった問題を正答できるようになる勉強を積み上げて初めて、点数は上がります。昨日までは理解していなかったことを理解し、解けなかった問題が解けるようになって初めて、その日は勉強したといえるのです。
着実に成績を上げるには、勉強した内容をしっかり理解できているかを客観的にチェックする必要があります。出された課題に対し、それがきちんと理解できたかどうかを確認するのです。
間違えた問題、できなかったことがある場合はその都度必ず分析改善をします。分析とは、なぜ間違えたのか、できなかったのかの理由を突き詰め、原因を究明することです。
そして同じ失敗を繰り返さないための解決策を具体的に施すことが改善です。一度間違えた問題は二度と間違えないようにすれば、あとは知らない問題だけを埋めていく勉強をすればいいだけですから効率は劇的にアップします。
自分がどれだけ理解しているかをきちんと把握することは重要です。受験本番になって理解不足が露呈したのでは絶対に合格はできません。成績アップにつなげるためには分析改善を繰り返し、己の理解度を常に知っておくことが必要なのです。
次回の記事では、鬼管理の法則の③~⑥について解説します。
菅澤 孝平
シンゲキ株式会社 代表取締役社長