④“自己流”はただの遠回り
そして第4の要因となるのが「自己満足の勉強」です。
受験生には自学自習が重要ですが、だからといって塾や予備校がNGで、独学がOKなのかというと、そんな単純な問題でもありません。
独学と自学自習は似ているようで異なります。単に塾に通わず一人で勉強しているというだけでは自己満足的な勉強に陥りやすく、現在の実力をさらにアップするための能力を引き出すことのできない、いわばこなすだけの勉強になってしまいがちです。ですから正しい勉強法と適切な計画の基で行う自学自習に取り組むことで、初めて結果が表れるのです。
分からなかったことを分かるようにして成績をアップさせるためには、自分が取り組んだインプット(入力するという意味、勉強では情報を得たり覚えたりすること)を正しいアウトプット(出力するという意味、勉強ではテストに解答したり、人に教えたりすること)につなげ、それを常に確認する必要があります。
必ずしも毎日である必要はありませんが、勉強した内容を正しく理解し、得点できるレベルに達しているかは、定期的に確認することが重要です。
正答できなかった問題があった場合、答えを見て分かった気になっているだけでは次もまた同じ間違いを繰り返すだけです。なぜ間違えたのか、何が分かっていなかったから間違えたのか、同じ間違いをしないためには何をする必要があるのかを分析し、改善してこそ、できなかったことができるようになり、成績は上がるのです。
逆に、すべて正答できたらそれでOKかといえばそれもまた違います。自信をもった解答でマルが付けば問題ありませんが、いまひとつ確信をもてないのにたまたま正解だった場合や迷った場合などは、理解が十分ではありません。
この場合も、なぜ迷ったのか、何の知識があいまいだったために自信をもって解答できなかったかを必ず振り返り、インプットをし直す必要があります。
自己流の間違った独学では最短距離での勉強をすることができないので効果を最大化できず、貴重な時間を無駄にするばかりです。計画性をもち、意識してインプットとアウトプットを循環させていくことが自学自習の肝なのです。
また時間の貴重さということでは、塾や予備校、学校などで解放されている自習室の活用についても注意が必要です。集中できる環境であるなら積極的に活用すればいいとは思いますが、自習室でないと勉強できないと感じるほど依存するのは危険です。
家の隣が自習室だというなら話は別ですが、外出の支度や往復にかかる時間も毎日積み重なると相当な時間になります。本来は1分1秒でも多く勉強しなければならないのに、自習室が開いている時間にしか勉強できないというのでは、自宅で集中して勉強できる生徒と比べれば勉強時間は極端に短くなってしまいます。
自宅以外にも勉強する場所があると気分が変わって集中できるという人もいますから、自習室での勉強を否定するわけではありません。自習室を使う、使わないにかかわらず、まずは自宅で集中して勉強できるよう環境を整えることが、成績を上げ合格に近づくための自学自習には絶対に欠かせないということです。