⑤受験勉強「以外」の時間はダラダラしている
さらに「オフタイムの無駄遣い」が失敗の第5の要因です。
勉強の方法をどうするかという問題のほかに、生活全般の過ごし方でも成績上位者は時間の使い方が上手です。勉強時間だけ急にやる気になって、効率よく最大限の力を発揮できるというわけにはいきません。
スポーツで例えると、試合に勝とうと思えばゲーム開始のホイッスルから頑張るわけではないはずです。準備運動の時間の取り方やその日の朝食、あるいは前日の食事や睡眠時間などにも気をつけるのは当たり前のことです。
勉強時間、あるいは塾や予備校の授業時間も、ウォームアップの時間を「始めてから」取るか、「始める前に」取るかで差が出るのは当然なのです。
受験勉強は、毎日の限られた勉強時間が「試合」のようなものです。普段から生活習慣を整え、バランスの取れた食事を取り、体調管理をしっかりしておかなければ、いざ勉強を始めても脳や体には響いていきません。
なかでも重要なのが睡眠です。睡眠時間は脳の働きや体調全般に影響します。睡眠をおろそかにするとコンディションが悪化して意欲が低減します。それだけでなく、そんな状態で学習をしても成果にはつながらないので、なおさらモチベーションは下がってしまいます。
これは受験勉強に限らず、ほとんどすべてのことに共通している当たり前のことのように思えますが、受験という特殊な状況下では、しばしば生徒も保護者もそのことを見失ってしまいます。
将来のために寝る間も惜しんで努力すべきだといってスケジュールを過度に詰める。ただダラダラと時間を浪費した挙げ句に「自分は夜型だから」などと勝手な言い訳をして、計画性もなく夜遅くまで勉強したりする。こんな睡眠不足や疲労が溜まるような学習はまったく無意味です。少なくとも、体調を崩して寝込み、その数日の損失を取り戻さなければならなくなるリスクに見合うものでは絶対にありません。
結果として成果が上がらず、周囲から取り残されたような状態になってしまえば、追いつくためにやる気を奮い起こすことも難しくなってしまいます。
次回の記事では、失敗例の⑥と⑦について解説します。
菅澤 孝平
シンゲキ株式会社 代表取締役社長