みんなが口を揃えて「私も騙された!」
不動産詐欺の場合、グループで詐欺を行うことも少なくありません。もちろん、犯罪が発覚すれば、犯罪をしたすべての者に刑罰が科されますが、どこまでが詐欺グループなのか、判別できないケースもあります。事件が明るみに出ると、みんな、「私も騙された!」と言うのです。
また、近年は、実印や運転免許証など、いろいろなものの偽造が簡単にできる時代です。Xさんに落ち度がなくても、いつの間にか登記が移転されているなんてこともあります。
ところで、信じ切っていたZさんは、保護されないのでしょうか。結論からいうと、残念ながら、基本的には(=Xさんに帰責性が認められない限り)保護されません。いくらZさんが気の毒でも、権利のない人から権利を承継することはできないのです。
ですから、Xさんから不動産を返すように求められた場合、Zさんは、原則として、それを断ることはできません。仕方なく詐欺グループから売買代金を取り返そうとしても、すでに、そのお金はどこかに消えています。
遠藤 研一郎
中央大学法学部
教授
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