恐ろしい…仲介業者・弁護士までグル、1億5,000万円を持ち逃げ!不動産のプロも騙される「地面師」による巧妙な詐欺手口【中央大学法学部教授が解説】

恐ろしい…仲介業者・弁護士までグル、1億5,000万円を持ち逃げ!不動産のプロも騙される「地面師」による巧妙な詐欺手口【中央大学法学部教授が解説】

不動産価値の上昇が続くなか、「地面師」と呼ばれる詐欺グループが横行しています。ときには司法書士や弁護士なども仲間として加担していることもあり、不動産のプロでさえ見抜くことが難しいといわれている恐ろしい詐欺です。本記事では、中央大学法学部教授である遠藤研一郎氏の著書『はじめまして、法学 第2版 身近なのに知らなすぎる「これって法的にどうなの?」』(株式会社ウェッジ)より、地面師による不動産詐欺の手口について解説します。

みんなが口を揃えて「私も騙された!」

不動産詐欺の場合、グループで詐欺を行うことも少なくありません。もちろん、犯罪が発覚すれば、犯罪をしたすべての者に刑罰が科されますが、どこまでが詐欺グループなのか、判別できないケースもあります。事件が明るみに出ると、みんな、「私も騙された!」と言うのです。

 

また、近年は、実印や運転免許証など、いろいろなものの偽造が簡単にできる時代です。Xさんに落ち度がなくても、いつの間にか登記が移転されているなんてこともあります。

 

ところで、信じ切っていたZさんは、保護されないのでしょうか。結論からいうと、残念ながら、基本的には(=Xさんに帰責性が認められない限り)保護されません。いくらZさんが気の毒でも、権利のない人から権利を承継することはできないのです。

 

ですから、Xさんから不動産を返すように求められた場合、Zさんは、原則として、それを断ることはできません。仕方なく詐欺グループから売買代金を取り返そうとしても、すでに、そのお金はどこかに消えています。

 

 

遠藤 研一郎

中央大学法学部

教授

 

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