(※画像はイメージです/PIXTA)

近年、新しい保険として「働けなくなったときの保険」が登場しています。しかし、わが国には社会保障制度があるため、特にサラリーマンにとっては、このような保険が不要なケースもあります。また、必要な場合でも、商品やプランを選ぶ際には、考慮に入れなければならないことがあります。本記事では、「働けなくなったときの保険」について、サラリーマンにスポットを当てて解説します。

サラリーマンに「働けなくなったときの保険」は必要か?

◆サラリーマンの公的保障は充実している

サラリーマンにとって、そもそも「働けなくなったときの保険」は必要なのでしょうか。

 

わが国では、働けなくなった時に受けられる公的保障が比較的充実しています。サラリーマンにとってとりわけ重要なのは以下の2つです。

 

【サラリーマンにとって重要な2つの公的保障】

・1ヵ月あたりの医療費の上限が決まっている(高額療養費制度)

・働けなくなったら給与の3分の2を受け取れる(傷病手当金)

 

病気・ケガにより働けなくなった場合をに備えるための保険を検討する場合には、これらの社会保障があることを念頭に置く必要があります。以下、それぞれについて説明します。

 

◆高額療養費制度

高額療養費制度は、医療費の自己負担額が過大にならないようにする制度です。

 

日本の健康保険制度では、医療費の自己負担額は原則として「3割負担」です。ただし、それでも高額になることがあります。そういう場合のための制度が「高額療養費制度」です。

 

これは、1ヵ月あたりの医療費の自己負担額に上限を設けるものです。たとえば、「月給27万円~51万5,000円未満」の人の場合、自己負担額は以下の通りです

 

80,100円+(医療費-267,000円)×1%

 

1ヵ月あたりの自己負担額が60万円(健康保険適用前の額は200万円)に達した場合、高額療養費制度を利用すれば、自己負担額は以下のように、9万7,430円に抑えられます。

 

80,100円+(200万円-267,000円)×1%=97,430円

 

この程度の金額であれば、貯蓄で備えることができる人は多いと考えられます。

 

◆公的保障2|傷病手当金

次に、傷病手当金は、サラリーマンが加入する「被用者保険」の制度です。働けなくなった場合に、給与の額の67%(約3分の2)を、最長で1年6ヵ月まで受給できるというものです。したがって、1年6ヵ月までであれば、民間の保険に入らなくても大丈夫という人が多いと考えられます。

 

しかし、問題は、傷病手当金を受給できる期間(最長1年6ヵ月間)が終わってしまったあとも、働けない状態が続いてしまったケースです。この場合、多くは「障害年金」を受けることになると考えられます。ただし、障害年金の額は傷病手当金よりもかなり低いのです。

 

多くのサラリーマンにとっては、「働けなくなったときの保険」に加入するならば、このケースに備えてということになると考えられます。

 

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