(※画像はイメージです/PIXTA)

大手4銀行(みずほ、三菱UFJ、三井住友、りそな)は、11月1日から住宅ローンの「10年固定金利」を引き上げました。しかし、国土交通省の統計によると、住宅ローンを借りている人のうち「変動金利」を選択している人が全体の76.2%を占めています。固定金利の引き上げの影響が今後、変動金利にも及ぶのでしょうか。また、これからローンを組むなら低水準で推移している変動金利のほうがよいのでしょうか。解説します。

◆「5年ルール」とそのリスク

第一に、金利が上昇しても、5年間は毎月の返済額が変わりません(5年ルール)。

 

ただし、その間、毎月の返済額に占める利息の割合が高くなり、元本が減らないことになります。また、もしも5年間の返済額で利息上昇分をまかないきれなかった場合、「未払利息」として、返済期間の最終盤に全額返済しなければなりません([図表2]参照)。

 

[図表2]変動金利・元利均等方式の5年ルール(未払利息が発生する場合のイメージ)

 

◆「125%ルール」とそのリスク

第二に、前述の5年ルールによって5年ごとに返済額が見直されますが、返済額の上昇は125%までに抑えられます(125%ルール)。

 

しかし、だからといって、125%を超えた部分が免除されるわけではありません。これも「未払利息」と扱われ、返済期間の最終盤に全額返済しなければなりません。極端なケースですが、返済額の大部分、または全部を利息が占め、かつ、未払利息が発生するケースも可能性も考えられます([図表3]参照)。

 

[図表3]変動金利・元利均等方式の125%ルール(極端なケースのイメージ)

 

変動金利については、このようなリスクがあることに留意しておく必要があります。また、前述したように、今後は金利がどう変動するか見通すことが困難です。変動金利を選ぶ場合は繰り上げ返済等を活用して返済期間を短縮するとか、あるいは、長期を見据えてあえて固定金利を選ぶという選択肢も考えられます。

 

住宅ローンの返済方法を選ぶ場合には、以上のことを十分に考慮したうえで、無理のない資金計画・返済計画を立てる必要があるといえます。

 

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