中国の軍事費は「習近平」体制で2倍に
日本人として気になるのは、やはり中国の動き。日本が軍事費をGDP費2%に引き上げることを公にした時、中国は懸念を表明しています。しかし、このところの中国の軍拡のスピードは凄まじいことは、誰もが知るところ。
いまから30年ほど前の1990年。当時、世界第1位の軍事大国は、いまと変わらず「アメリカ」で軍事費は325,129百万ドル。「日本」は28,800百万ドルで世界5位。それに対して中国は9,926百万米ドルで世界13位と、世界1位の人口を擁していながら軍事費はトップ10にも入っていませんでした。「中国」の軍事費が世界ベスト10に入ったのは1996年のこと。このとき、世界2位の軍事大国は「日本」でした。
「中国」と「日本」の順位が逆転したのは2006年のこと。このとき「中国」は51,453百万米ドルで世界第3位。「日本」は41,553百万米ドルで世界5位。そして世界1位の軍事大国「アメリカ」の軍事費は558,335百万米ドルと、中国とは10倍以上の差がありました。ただこれから先の中国の軍事費の拡大は言わずもがな。2013年3月から習近平体制になってから、中国の軍事費は2倍近くに増大し、アメリカと中国の差も縮まっています。
ただ中国と同じように、米国も再び軍拡へと舵を切っていることが分かります(図表)。米中の覇権争いが、この図をみてもわかります。それに対して日本は、この30年間、ほぼ一定額。「平和ボケ」と称される日本人。軍事費の推移をみても納得です。
そんななか、私たち国民に求められる軍事費増大の容認。台湾有事の危機が迫っているなか「中国の驚異から守るために仕方がない」と割り切るしかないのか。しかし足元をみてみると、上がらない賃金、終わりのみえない物価高、解決策が見当たらない少子高齢化など、問題が山積み。「軍事費を上げられるなら、目の前のことにお金を使え」という反発の声も、いまだ大きいものがあります。残された時間は、それほど多くはありません。
※文中、中国の軍事費には政府公式予算に含まれない軍事支出の推計を含みます。
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