日々発表される統計情報を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は、“高給取り”の分布について考えていきます。

東京勤務の会社員…給与のピークは手取り35万円

日本には、何人くらい会社員がいるのでしょうか? 総務省統計局「労働力調査」によると、 就業者数は6,670万人。そのうち5,929万人が雇用者だといいます。働いている人の、実に88%は、日々、組織のなかで奮闘しているわけです。

 

「あの人は、どれくらい、もらっているんだろう」とか「平均の給料って、どれくらいなんだろう」などと、他人の給料が気になるのは、周りのみんなが同じ会社員だから、というとも関係しているのでしょう。

 

厚生労働省「賃金構造基本統計調査 」によると、東京勤務の会社員(従業員10名以上が対象)の場合、「きまって支給する現金給与額(労働契約、労働協約あるいは事業所の就業規則などによってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって支給される現金給与額。超過労働給与額を含む)は、50~54歳がピークで35.99万円/月。額面36万円とすると、住民税が2.5万円、所得税が1.2万円ほどで、手取り額は27万円/月ほどになります。

 

また「年間賞与その他特別給」の100万2,100円も加味すると、年収532万円というのが、東京都勤務の会社員の平均的なピークとなります。

 

もちろん、会社規模で給与は変わるので、企業規模1,000人以上に絞ると、「きまって支給する現金給与額」のピークは、同じく50~54歳で41万6,500円/月。「年間賞与その他特別給」143万4,600円なので、年収643万円が、東京都の1,000人規模に勤務する会社員のピークになります。

 

これが多いのか、少ないのか、捉え方は人それぞれですが、決して夢のある数字ではない……というのが現実です。

給与1,000万円以上のエリートは、日本のどこにいる?

そうなると、ますます「高給取り」への憧れは強まります。ところで、いわゆる「高給取り」というのは、年収にすると、いくらくらいもらっている人のことをいうのでしょか。

 

これも捉え方は人それぞれ。年収400万円ほどの人にとって、年収600万円の人は高給取りですし、額面21万円手取り16万円ほどの20代前半の会社員にとって、額面30万円ほどの会社員はやはり高給取りです。

 

色々な意見がありますが、まとめてみると、年収1,000万円以上、というのが「高給取り」の基準のようです。

 

――年収1,000万円なんて会社員、どこにいるんだ!

 

会社員なら憧れる、高給取り(※画像はイメージです/PIXTA)
会社員なら憧れる、高給取り(※画像はイメージです/PIXTA)

 

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