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「金利」を理解すれば、資産の増やし方を自分で考えて決められるようになる、とFPコンシェル株式会社代表取締役でFP兼マネーコンシェルジュである福本眞也氏は言います。福本氏の著書『お金は「金利」で増やすのです』(大和書房)より、一部抜粋して紹介する本連載。今回は、中古マンションの購入を検討する40代夫婦の具体例をもとに、収入や支出を検証し、購入の実現可能性を模索。管理費や返済シミュレーションを通じたリアルな資産形成方法について紹介します。

マンションはいつが買いどきか

現在はまだ金利が低いため、住宅の需要はかなり高いです。そのため、新築マンションに関して、不動産販売会社や不動産仲介会社は強気の価格で販売しています。販売による粗利は3割ほどあるとも言われています。つまり、原価に30%も上乗せして販売しているわけです。しかし、彼らも借入をして建設していますので、金利が上昇すると利益は減ります。

 

今後、金利が上がり始めると、マンションの需要は減ってくることが予想されます。すると、マンションが売れなくなるので、もう少し価格が下がってくるでしょう。よほど人気のある地域でない限り、リセール価格として1割から2割ほど下落する傾向があり、日銀の金融政策が転換されるとさらに下落する可能性も高まります。築浅の中古マンションでも、よりお買い得な物件が出てくるように思います。

 

そういう物件が出てくるのを待ちながら、現在の低金利のメリットを享受できるギリギリのタイミングを見計らうのがいいのではないでしょうか。

 

日々、物件を探しながら、金利のニュースにアンテナを張っておけば、ベストなタイミングが見えてくるはずですので、そのときのためにできる限り貯蓄を増やすようにされるのがいいのかなと思います。

 

DさんとEさんの資産形成案の結論

 

現在の状況では、4,000万円のマンションを購入するのはおすすめしません。予算を3,000万円程度に落としていただき、地域を郊外などに広げて探してみることも検討してください。

 

その上で、物件の価格が下がってくるタイミングと金利が上がるタイミングを見計らって、購入可能な物件を辛抱強く探すのがいいと思います。

 

 

福本 眞也

FPコンシェル株式会社 代表取締役

1級ファイナンシャル・プランニング技能士

お金は「金利」で増やすのです

お金は「金利」で増やすのです

福本 眞也

大和書房

金利を知れば、世の中の動きを先読みできる 日本では長らく低金利が続いていきましたが、2022年から2023年にかけてアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、そしてヨーロッパ各国も続々と金利を引き上げています。 マ…

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