ペソ安定に寄与「海外フィリピン人労働者」の送金額「前年比2.7%増」

10月23日週「最新・フィリピン」ニュース

ペソ安定に寄与「海外フィリピン人労働者」の送金額「前年比2.7%増」
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今週は、フィリピン経済の10%程度を支える海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金の最新動向を中心に解説します。

フィリピン経済を支えるOFW…懸念点は

海外フィリピン人労働者(OFW)が送金した金額は、2023年8月に前年比2.7%増加し、フィリピン中央銀行(BSP)のデータによれば、5月以来の最も高いペースで増加しました。

 

2023年8月に銀行を通じた送金額は、2022年同月の27億2,000万ドルから27億9,000万ドルと、2.7%増加しました。これは、5月の2.8%以来の高い伸びでした。また2023年の1~8月における現金送金もまた、前年比2.8%増の215億8,000万ドルに増加しました。

 

OFWの送金は、ペソ買い取引であり、ペソ安定に大きく貢献すると共に、一度換算されれば国内の購買力の推進要因となるため、フィリピン経済の成長、安定にとって非常に重要な取引です。今年8ヵ月間の現金送金の大部分の177億1,000万ドルが陸上労働者からのもので、前年比3.1%増加。海上労働者からの送金は、1.9%増の44億1,000万ドルでした。

 

BSPによると、この期間における現金送金の最大の源はアメリカで、41.6%を占めています。以下、シンガポール(6.9%)、サウジアラビア(5.9%)、日本(4.9%)、イギリス(4.9%)、アラブ首長国連邦(4.1%)、カナダ(3.5%)、カタール(2.8%)、台湾(2.7%)、韓国(2.6%)と続きます。

 

OFWは有利なペソドル為替レートを活用し、より多くのお金を送金しています。また、これにより、OFWとその家族/扶養者が、高インフレと高ローン金利の支払いに対処する助けとなっています。

 

BSPは今年のインフレ率を平均5.8%と予想し、国内総生産(GDP)成長率を6~7%を目標としています。クリスマス休暇前の第4四半期に送金が加速し、ペソドル為替レートをサポートする可能性があります。ただし、国際的な経済の減速や長期にわたるイスラエル・ハマス紛争が送金に影響を与える可能性があることにも言及されています。

 

ちなみに、OFWのイスラエルからの送金は8ヵ月間で7,440万ドル、送金総額の0.3%程度です。2022年のイスラエルからの送金総額は1億1,060万ドルでした。

 

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※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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