もし、会社を継がない長男と三男が“結託”したら…次男への事業承継を控える68歳・社長が見落としていた〈自社株問題〉の勘所【富裕層専門FPの相談事例】

もし、会社を継がない長男と三男が“結託”したら…次男への事業承継を控える68歳・社長が見落としていた〈自社株問題〉の勘所【富裕層専門FPの相談事例】
(写真はイメージです/PIXTA)

今回の相談者は、妻・息子とともに会社を経営する68歳の社長。息子に会社を引き継ぐにあたり、小規模な法人ゆえ「自社株問題」はそれほど重要視していませんでしたが、話を聞いてみると問題点が浮かび上がってきました。本稿では株式会社FPイノベーションの代表取締役・奥田雅也氏が、小規模法人によくみられる事業承継と自社株問題について解説します。

事業承継に影響を及ぼす“親族間の感情問題”

筆者はその後、自社株と自宅の引き継ぎ方について、将来の火種を残さないための対策は幾つかあることを伝えました。

 

今後この社長夫婦は対策を実行していくフェーズに入る訳ですが、こうした法人は無数にあるのではないか、と感じさせられる一件でした。

 

法人の規模が一定以上で、かつ財産権としての自社株評価が高額になっている経営者の多くは、自社株問題を認識し、対策を講じているケースは多いと思います。そのような法人には、銀行や証券会社、保険会社だけでなく税理士などがすでに情報提供・助言をしていることでしょう。

 

ですが今回みたような、同族法人でかつ規模が小さい場合、アドバイザーがついているケースは稀。たとえアドバイザーがついていたとしても、問題の本質を見落としてしまっているケースは多いのかもしれません。

 

事業承継に関連する諸問題は、事業規模の大小や財産の多寡にかかわらず、親族間の感情問題に大きく影響されます。このような定量化できないポイントも押さえた対策が不可欠なのです

 

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