税務調査に入られたら追徴課税額は「平均256万円」…税務署はどうやって「申告漏れ」を嗅ぎ当てるのか【税務調査専門の税理士が解説】

税務調査に入られたら追徴課税額は「平均256万円」…税務署はどうやって「申告漏れ」を嗅ぎ当てるのか【税務調査専門の税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

税務調査で「申告漏れ」が指摘されると、多額の追徴課税が課せられます。申告漏れを指摘されやすいのは、どのような業種なのでしょうか。そして、なぜ、税務調査で申告漏れがバレるのでしょうか。税務調査対応を得意とする税理士・永江将典氏の著書『税金でこれ以上損をしない方法 40歳で資産1億円を達成した税理士がやった「手取りを増やす」全テクニック』(翔泳社)から、一部抜粋して紹介します。

「経費が多すぎる人」は狙われやすい

国税庁のHPでは、税務調査の結果、多く追徴課税がとれた業種のトップ10を公表しています。ここでは最新のランキングを見ていきましょう([図表1]参照)。

 

[図表1]事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種(2018年度)

 

中でも、最も追徴課税が生じた上位5業種は以下の通りです。

 

1位 経営コンサルタント

2位 システムエンジニア

3位 ブリーダー

4位 商工業デザイナー

5位 不動産代理仲介

 

これを見て気がつくと思うのですが、1位の経営コンサルタント、2位のエンジニアともに基本的に「仕入れ」という概念がない業種ですよね。つまり業種によって「この程度が経費だよね」という基準値があるので、そこを超えるとかなり狙われやすくなるのです。

 

たとえば、システムエンジニアの方の税務調査をサポートする際、よくこんな状況になっています。

 

税務署の気持ちになって想像してみてください。100枚の申告書があります。全員売上は「700万円」です。そして、99枚は利益が「550万円」です。残り1枚だけが利益が「300万円」です。「この300万円の申告書、怪しい!」となりませんか? こういう視点で税務署はチェックしています([図表2]参照)。

 

[図表2]税務調査が来る人の傾向(イメージ)

 

ただし、システムエンジニアでも、本当に経費を多く使う方もいるかもしれません。本当に経費を多く使った結果、利益が300万円だということであれば、税務調査できちんと説明していけば、追加で払う税金は0円でちゃんと税務調査は終わりますのでご安心ください。

 

また、[図表1]では1位が「経営コンサルタント」、2位が「システムエンジニア」となっていましたが、コロナ以前は常に「風俗系」や「キャバクラ」といった業種が上位にランキングされていました。

 

しかし、コロナ緊急事態宣言により営業停止していた期間で売上も減ってしまったことからコロナ期間中は調査対象から外されていることがわかります。

 

このように社会の変化によって調査先も変化していっています。

 

 

永江 将典

税理士法人エール

公認会計士・税理士

 

 

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