個人事業主の夫、経理担当の妻に「月給30万円」支給したら税務調査で「アウト」?「家族への給与」で厳守すべき「3つのルール」【税理士が解説】

個人事業主の夫、経理担当の妻に「月給30万円」支給したら税務調査で「アウト」?「家族への給与」で厳守すべき「3つのルール」【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

家族への「給与」は「税務調査」で誤りが指摘されやすい経費のひとつです。税務調査対応を得意とする税理士・永江将典氏の著書『税金でこれ以上損をしない方法 40歳で資産1億円を達成した税理士がやった「手取りを増やす」全テクニック』(翔泳社)から、一部抜粋してご紹介します。

親や配偶者、家族に「不当に」支払う給与

税務調査の際に誤りが指摘されやすい経費の1つが「家族への給与」です。主な注意点は以下の3つです。

 

1. 家族へ給料を払うための税金のルールを守る

2. 実際に家族が仕事を手伝っていること

3. 家族だからといって、甘い給与の査定をしてはならない

 

以下、それぞれについて、解説します。

 

ポイント1|家族へ給料を払うための税金のルールを守る

1つ目のポイントは、税法上のルールをきちんと守ること。家族へ給与を払うときのルールは、白色申告と青色申告で異なります。改めて確認してみましょう。

 

【白色申告の場合】

経費として認められる額に上限があり、配偶者の場合は86万円、それ以外の親族については50万円までしか認められない。

 

【青色申告の場合】

経費として認められる額の上限がなくなり、適切な給与額であれば全て経費として計上することができる。ただし、青色申告をしているだけではこの制度を使うことはできず、事前の手続きが必要。

 

白色申告なのに100万円以上を給与として経費にしたり、青色申告でも事前の手続きをパスして給与をどんどん計上するのはルール違反になり、経費として認められなくなってしまいますので気をつけましょう。

 

ポイント2|実際に家族が仕事を手伝っていること

2つ目のポイントは、実際に家族が仕事を手伝っていることです。妻に給与を払っていたとき、税務調査の場面では「どんな仕事を手伝ってもらっているんですか?」と質問されます。そして、「実際に奥さんとも話をさせてください」と調査官から言われます。

 

たとえば、妻が経理として働いているというなら、どんな経理ソフトを使っていて、毎月の入出金はいくらくらいなのか。毎月の請求日はいつで、どこの銀行を使っているか……こういった質問に最低限答えられるようにしておく必要があります。

 

調査官:「では、奥さんに仕事内容を確認したいので話をさせてください」

 

あなた:「は、はい……」

 

調査官:「 奥様が経理の仕事を手伝っていると伺いました。会計ソフトは何を利用していますか?」

 

妻:「???会計ソフト???」

 

となってしまったら完全にアウトです(本当によくあるパターンです)。

 

ポイント3|家族だからといって、甘い給与の査定をしてはならない

3つ目のポイントは、「家族だからといって、甘い給与の査定をしない」、つまりは給与の金額が妥当であることです。

 

たとえば、たまに経理のお手伝いをしてくれるあなたのパートナーに、月に6時間しか働いていないのに、月給30万円を支払っているとします。時給5万円の経理担当者が誕生していますが、これは、全く許されません。税務調査でアウトになります。時給は、市場価格に合わせて「妥当な額」に調整する必要があります。

 

残念ながら、「大事な家族だから」とか、「うちの奥さんはハイパー有能だから」とかいった理由で、超高額の報酬を払うわけにはいかないのです。

 

では、妥当な給与の額はどれくらいでしょうか。

 

先ほどの例に出てきた「月に6時間」だと、パートのような働き方です。2023年に「新宿区 経理 パート」とGoogleで検索し、出てきた求人サイトを見てみると、時給は概ね「1,200円~1,500円」くらいでした。

 

この金額が基準値となり、パートナーが経理初心者なら1,200円、何も指示しなくても全部やってくれるレベルの優秀な方なら1,500円、というようにそのときの求人情報を参考にしながら時給を決定し、そのときの参考にした求人サイトなどを印刷して保管しておけば証拠として十分です。

 

 

永江 将典

税理士法人エール

公認会計士・税理士

 

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