「経費」として認められないケース
一方、そのスキルを身につけたところで、売上アップにつながる可能性が低い場合は、経費にすることは難しいです。
たとえば、あなたが経営している中華料理店で従業員にフランス語を習わせるという場合です。これは税務署の調査官も「本当にそれって必要なお金ですか?」と首をかしげてしまいますよね。
「ちょっと待って! でも、もしかしたらそのフランス語が将来的に何かの役に立つかも?」と思う方もいるかもしれません。そうですね、確かに将来のビジョンがあるなら話は別です。
たとえば、今持っている飲食店のノウハウを生かして、次はフランス料理店を開こうと考えている……そのような場合なら、「経費」として認められる可能性も十分に出てきます。ただ、そういった場合は、しっかりとその事業計画を立てて、それを記録しておくことが大事になってきます。
研究費・研修費を使ってスキルアップ、商品もパワーアップしながら節税できてしまうというのは最高ですよね。
ちなみに先ほど、3週間バリ島・ロンボク島へ旅行していた話を書きましたが、何をしていたかというと……前半は、映画や書籍にもなった「バリの兄貴」ツアーとして経営者の方達10名ほどをご案内してきました。ちゃんと旅行企画代をもらって(売上発生)、筆者の旅費もその中で賄って利益が出ている状態です。まさにビジネスです。
後半は、現地でとある事業を始めようと思い、15年以上バリでビジネスしている方に相談しました(証拠写真あり)。また、とある会社に話を聞きに行き、筆者もやりたい!と思えたので業務提携してきました。
こうやって書いておけば、税務署の方が先ほどの記述を見て「経費で3週間もバリ島へ行った⁉ けしからん!」と思われたとしても、「そういうことか……」と納得してくれるのではないかなと思い、「何をしていたか」も書いてみました。
ビジネスにおいてお金を使う場所は非常に重要です。お金をうまく使って、節税しながらビジネスをレベルアップさせていきましょう。
永江 将典
税理士法人エール
公認会計士・税理士