一方、パッシブファンドは、市場全体(指数)の値動きと同様の運用成果を目指し、例えば日経平均株価といった個別指数に連動するように組まれた商品で、ほとんど人の手は加わっていません。ですので、手数料も安くなっています。
・アクティブファンド=手数料が高い
・パッシブファンド(インデックスファンド)=手数料が安い
アクティブファンドは優秀なファンドマネジャーが銘柄を選んでいるわけですが、残念ながらインデックスファンドよりも高い運用益を達成している商品は多くありません。過去10年間の運用成績記録から、アクティブファンド日本株式型(2021年9月までの)では42.6%、アメリカ大型株式型(2021年4月までの)では71.5%がインデックスファンドに負けていたとのレポートもあります。日本株式型はほぼ半々でしたが、なんとアメリカ大型株式型では28.5%しか利益が出ていないのです。
では、インデックスファンドだったらいいのかと言いますと、「良いものもあります」というのが正しい回答だと思います。「手数料が少ない」と宣伝しながら、管理手数料(信託報酬)は必ずかかります。販売手数料や解約(換金)手数料がほぼゼロでも、投資信託を持っている間は毎年いくらか払うことになるのです。
証券会社や銀行といった金融機関は、この信託報酬で利益を上げています。自分たちの口座に投資信託を保有してもらえれば、毎年必ずお金が入ってくる、とてもありがたい商品なのです。ですから、金融機関はそういった商品を売りたい。より利幅の大きな商品を売りたいのは、利益を追求する民間企業であれば当然のこと。
私もその中にいた人間ですので、大きな声で偉そうなことは言えませんが、「毎年、自動的にお金が入ってくるおいしい商品」であることは事実です。管理手数料を0.1%くらいしか取らない投資信託もあれば、中には1%以上のものもあります。年間の利益が2%だった場合、その半分をもっていかれますし、もしマイナスだったら、よりマイナスになってしまいます(もちろん、信託報酬が高いけれども、その分、パフォーマンスの良い投資信託もあります)。
投資信託を選ぶ際は、買ったり売ったりするときだけでなく、保有している間にどれくらいの手数料がかかるのか必ず確認してください。
福本 眞也
FPコンシェル株式会社 代表取締役
1級ファイナンシャル・プランニング技能士