生活保護の受給中に新たな借金はできるのか
生活保護の受給中に新たに借金をすることは認められません。生活保護受給中はそれ以外に収入がないことから、金融機関・カード会社の審査に通らないため、借入自体ができません。
仮に借金ができたとしても、それは新たな収入とみなされて「生活保護費の減額対象」となります。また、もし、新たに借金をしたことをケースワーカーに隠していると、「生活保護を打ち切られる」可能性があります。
どうしてもお金が必要なときの選択肢
ケースワーカーに相談する
生活保護を受給しても生活が苦しくどうにもならない場合、まずはケースワーカーに相談をしましょう。
ケースワーカーは、生活困窮者を支援する専門職で、生活保護においては受給者の相談・支援、家庭訪問、関係機関との連携などを行います。
前述の通り、生活保護受給中の借金は自立を遠ざけるリスクのある行為です。生活保護費だけでは苦しい場合であっても、自己判断だけで行動するのは危険です。
債務整理をする
借金が残っているのであれば、法律の専門家である弁護士・司法書士に相談して債務整理をすることも有効な手段です。自己破産ができないようなケースでも、債権者と交渉して利息を無くし、返済期間を延長するなど、事案に応じた柔軟な対応が可能です。
また、借金問題であれば、無料で相談を受けてくれる弁護士・司法書士もいるため、深刻な状況になる前に、まずは専門家に相談をするのをお勧めします。
早い段階での対策が肝心
借金が残っていても生活保護を受給することは可能です。
しかし、生活保護には借金を減らすような制度はなく、借金がある場合、生活保護を受けるだけでは完全な自立は難しいと言えます。借金を放置すると利息により返済総額が増えていくため、早い段階でケースワーカーや弁護士・司法書士に相談し、対策を打ちましょう。
東京司法書士会 司法書士
寺島 能史