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日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査」によれば、奨学金を利用している学生の割合は、大学(昼間部)では49.6%、短期大学(昼間部)では56.9%、大学院修士課程では49.5%、大学院博士課程では52.2%。約半数の大学生または大学院生が奨学金を利用していることになります。この記事では、奨学金が返せない場合にはどうなるのか、債務整理した場合どの程度効果があるのか、奨学金が返せない場合の対処法、奨学金の負担軽減の方法について、東京司法書士会の寺島能史司法書士監修のもと解説します。

奨学金は債務整理できるのか

奨学金は返せないとどうなるのか、債務整理は可能なのかについて解説します。

奨学金は返せないとどうなる?

奨学金とは、一般的に日本学生支援機構の奨学金制度を意味します。

 

経済的な理由で進学が難しい学生向けに、学費などを貸与または給付する制度です。奨学金の中には返還が不要な給付型奨学金もありますが、多くの場合は返還が必要となる貸与型奨学金のことをさします。

 

貸与型奨学金は返還が必要な借金であるため、月々の返還が滞れば、他の借り入れと同様に督促や法的措置を取られることとなります。

 

督促は、借金の返済期日を過ぎた翌日以降から電話や書面などで行われ、3ヵ月滞納すれば事故情報として信用情報機関へ履歴が記録され、いわゆるブラックリスト入りとなってしまいます。

 

4ヵ月目以降は、債権回収会社による督促が始まります。その後は残りの奨学金を一括で支払うよう請求され、最終的には裁判所を通じて督促や差し押さえの連絡が来ることとなるのです。何も対処しなければ、最初の滞納から1年もかからず差し押さえとなる可能性が高いでしょう。

 

また、親などの人為的補償を利用している場合、保証人にも書類が届きます。

奨学金は債務整理できるのか

結論から言うと、奨学金を債務整理すること自体は可能です。ただし、債務整理には種類があるため、どの債務整理を選択するかによって結果は異なります。

 

奨学金で検討できる債務整理には「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つが挙げられます。

 

それぞれの債務整理でどのような効果があるのか、債務整理の種類によってはあまり意味がないのかなどについて、以下で更に詳しく見ていきましょう。

奨学金の債務整理に効果はある?

奨学金を債務整理した場合、どのような効果が予想されるのかについて解説します。

債務整理の種類によっては意味のないケースも

先に解説した通り、奨学金の返還で検討できる債務整理は「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3つがあります。

 

それぞれの特徴としては

 

任意整理:債権者へ直接交渉し、利息のカットや返済計画の見直しを行う

 

個人再生:裁判所へ申し立て、借金を大幅に減額する

 

自己破産:裁判所へ申し立て、借金をゼロ(免責)にする

 

となります。

 

奨学金は金利の低い借金であるため、元金の減額ができない任意整理をしたとしてもカットできる利息は少額にとどまり、債務整理してもあまり意味はない結果となってしまうでしょう。

 

個人再生の場合、奨学金の残債が500万円ある場合は、100万円まで減額することが可能です。個人再生は返済することが前提となるため、減額された100万円を3~5年かけて返還していくこととなります。そのため、個人再生しても数年間は返還が続くことになるでしょう。

 

自己破産ではすべての借金をゼロにすることが可能ですが、預貯金や自動車、住宅などの資産を持っている場合には、生活に必要な最低限の物以外は処分しなければなりません。

 

また、個人再生と自己破産の手続きをすると、減額した借金の請求が保証人へいくことになります。自己破産では職業によって制限を受けたり、仕事ができなくなったりする可能性もあるため注意が必要です。

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