※写真はイメージです/PIXTA)

年収1,000万円超の高級取りとして名高い医師だが、過酷すぎる労働環境がある事実は、長らく問題視されてきた。しかし、医療業界のリアルはそれだけに収まらない。無給医の現状も度々取り上げられるようになっている。

「給与を支給していなかった」驚きの理由

②として、大学が回答した主な理由

1.自己研鑽(最新の医療情報の収集、診療技術の向上等)・自己研究(自身の臨床研究推進等)等の目的で診療に従事している。

2.大学病院とは別に本務先のある医師で、本務先の業務命令により研修として診療に従事しているため、大学病院での診療従事分も含めて、本務先から給与が支給されている

 

③として、大学が回答した主な理由

1.自己研鑽・自己研究等の目的で診療に従事しているものの、給与を支給することが適当であると判断した。

 

④として、大学が回答した主な理由

(a) 自己研鑽・自己研究等の目的、又は、大学院の研修の一部という目的で、診療に従事していたが、労働者的実態が強いことなどから、給与を支給することが適当であると判断した。・・・482名、16大学病院

(b) 労働条件勤務日を超えて診療に従事していた、あるいは、労働上限時間や研修範囲を超えて診療に従事していた。・・・203名、5大学病院

(c) 診療科等における労働時間の管理・把握が不十分であることや労務管理に関する書類等の事務手続上の不備があった。・・・119名、10大学病院

 

④として、回答した大学の給与の遡及状況

1.遡及して給与を支給している。・・・18大学病院

2.遡及して給与の支給を開始しているが、まだ完了していない。・・・3大学病院

3.遡及して給与の支給する方向で支払い時期等について検討中。・・・8大学病院

 

「自己研鑽」なんて今どきやりがい搾取もいいところだ!といきなり声をあげたくなるところに、「労働条件勤務日を超えて診療」「事務手続上の不備」などの文言が続く。「合理的な理由があるため、給与を支給していなかった」としているが、専門家へ相談して給与の支給を決定したのなら、そもそも何一つ合理的ではなかったということではないか? 理解に苦しむところだ。

 

なお、この報告書の結果は、各大学が自ら点検し明らかにしたもの、つまり内部調査だ(労務管理の専門家へ相談・確認を行うことを要件としているが)。大学教員である医師と歯科医師、そして初期研修医は調査対象に含まれていない。もっと酷い給与支給状況、労働環境、雇用形態を想像できる余地は多分にある。

 

また、給与未払いに付随して、長時間労働の問題も根深い。たくさん働いても、お金が貰えるわけでもない、一方で責任だけは増えていく。そのような「低賃金・重労働」医師たちを、世間が認識し始めた。

 

 \1月20日(火)ライブ配信/
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相続税の「税務調査」の実態と対処方法

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