積算価格の算出方法
積算価格、これは別名担保評価ともいいます。
2.建物=新築価格×面積×経年劣化
3.合計=土地+建物
土地の評価額を計算して、建物の評価額を計算して足す。それが物件の積算評価(担保評価)となります。日本全国の金融機関は、基本的には最低でもこの積算評価(担保評価)額までは融資してくれます。
ただし、この積算評価は総じて、売買価格より低い場合が通常です。ですから、足りない分、自己資金を入れる必要があります。では、具体的に、積算評価を計算してみましょう。
土地の計算方法
路線価をその土地の面積でかければ出てきます。路線価は、国税庁のHPから土地の地番を入力するだけで簡単に検索することができます。それに掛け目を入れます。角地の場合は×1.1%、旗竿地の場合は×0.9%のように。
建物の計算方法
建物に関しては、日本全国一律です。どこでも価値は同じです。
■新築の場合
S(鉄骨造物件):重量鉄骨……180千円/平米
軽量鉄骨……150千円/平米
W(木造物件):150千円/平米
■中古の場合
先の新築の価格を次の掛目を掛けて計算します。
S(鉄骨造物件):重量鉄骨……(34-経過年数)/34
軽量鉄骨……(19-経過年数)/19
W(木造物件):(22-経過年数)/22
そして、土地と建物の価値を足せば、その物件の積算評価になります。この評価で不動産をはかる金融機関がほとんどです。この計算式で、この物件は一体いくらの融資がおりるかを調べてください。
収益力での評価方法
今解説した、積算評価が日本の金融機関のスタンダードの方法といっても過言ではありません。そこに新しい評価方法が導入されました。「収益還元法」です。1990年初頭、日本バブル経済が崩壊したのちに、米国から入ってきた新しい価値の試算方法です。それが、収益力で不動産の価値を測る方法でした。
「利回りを鑑みて融資する方法」です。つまりは、積算力はそれほど高くないが、家賃が高く取れる物件だから、積算力以上の融資をしようとする考え方です。2017年以降、いくつかの地方銀行がこの方法で、素人サラリーマン投資家に不動産融資を行いました。
その代表格がスルガ銀行です。スルガ銀行の不正問題を端に発し、日本の不動産事情が大きく変化していったのは記憶に新しいところです。
※本記事は『1000年使える不動産投資最強成功術 失敗しない人だけが知っている不動産経営の定番』(ごきげんビジネス出版)一部を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。
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