元偏差値39・東大現役合格者、とにかく苦手だった「数学」で入試本番「7割」得点…苦手科目がいつの間にか“大化け”した理由

元偏差値39・東大現役合格者、とにかく苦手だった「数学」で入試本番「7割」得点…苦手科目がいつの間にか“大化け”した理由
(※写真はイメージです/PIXTA)

偏差値39・模試E判定続きの状態から東大へ。松島かれん氏が東大現役合格を果たせたのは、「手帳」を通して自己管理・自己分析・自己肯定ができるようになったからだといいます。本稿では、松島氏の著書『無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋し、「苦手科目や取り組みたくない勉強があり、勉強が気乗りしないとき」の手帳術を紹介します。

<前回の記事>偏差値39・限界受験生「どうして私は勉強しないでダラダラ過ごしてしまったんだろう」⇒〈手帳〉を書き始めたら…すごいことに【東大現役合格者の手帳術】

【手帳術】書き込んだ予定のうち、毎日「1つだけ」全力を出す

受験勉強をしていくなかで、必ず一度は出会うのが、「苦手科目」や「どうしても取り組む気持ちになれない単元」といった存在です。

 

私はずっと数学が苦手で、何度解き直しても教科書の問題が解けるようにならず、少し時間が経つと公式を忘れてしまい、苦手科目だなぁ…と感じていました。また、漢文や漢詩もなかなか読めるようにならず、文法や漢字を覚えても長文読解になるとどんな話が書かれているのか読み解けないことが多くあり、悩んでいました。

 

ですが、どんなに苦手な科目があったとしても、どんなに後回しにしたい単元があったとしても、入試で出題される以上、しっかり対策をして勉強に取り組まなければなりません。では、どのように乗り越えたらいいのでしょう。私が実際に行っていたのは、「1日1つ全力を出す」という手帳術でした。

 

この手帳術の具体的な内容は、手帳に毎日書かれている勉強内容や予定のなかで、苦手科目や苦手意識のある単元のどれか1つだけ、必ず「全力」を出してみるというものです。

「1日1つだけ全力」を続けたら、苦手科目が得点源に変わった

私が高校生のときに実際に行ったことをご紹介します。

 

●その日の数学の授業で、今までにないほど先生の言葉すべてをノートにメモする

●今日は夏休みの課題のレポートを今までで一番集中して、一番長く書いてみる

●今日の通学の電車内で、漢文の漢字を70個本気で覚える

●(私は朝がとても弱かったので)今日だけは朝4時に起きて2時間数学の計算問題を解いてから学校に行く

●昼休みに全力でバスケの練習をして、エネルギーをチャージして、その分、5時間目の数学の授業は全力で集中する

 

このように、朝手帳を開いて、「今日はこれ!」と1日何か1つだけ決めて、それに全力で取り組んでいるうちに、とある効果が出てきます。その効果とは、苦手意識が少しずつ薄れていくということです。

 

私は数学がとにかく苦手で、問題文を読んでも頭に入ってこなかったり、解答用紙に何も書けずに試験が終わってしまったりすることがありました。ですが、この1日1つ全力を出すという取り組みを始めた最初の頃、唯一苦痛ではなかった「計算問題」によく全力で取り組んでいると、そのうち数学への苦手意識が小さくなっていき、問題文を読むことの抵抗感が少なくなったり、数学の参考書を開くことへのしんどさが薄くなっていったのです。受験直前期には、「数学って楽しいのかもしれない」という気持ちまで抱けるようになり、東大の入試本番では数学で7割得点でき、他教科の点数を補うことができました。

1日「1つだけ」だからこそ効果的

なお、ポイントは1日「1つだけ」という点にあります。1日中、すべてに全力で打ち込もうとすると、途中でボーっとしてしまったり、やる気が出なくなってしまったりする可能性が高いです。そして、1日の最後には「今日も私はダメだった…」と落ち込んでしまいます。ですが、1つだけであれば、他のことがどうしても頑張れない日でも取り組めることが多く、1つでも頑張れた日は自分を否定せず、「明日も頑張ろう」と前を向くことができます。

 

また、1日1つ何かに全力で打ち込んでみると、達成感に出会えて、心のなかがすっきりしたような清々しい気持ちになります。結果、その1日において他の勉強もいつもよりはかどることが多くあります。

 

そしてもし余裕があったら、「1つだけ」を「2つだけ」「3つだけ」と増やし、苦手科目以外のことにも全力で取り組んでみる挑戦をしてみてください。成績や日々の自分が大幅に変わっていくことを手に取るように感じられるはずです。

 

 

松島 かれん

 

2001年生まれ。東京大学農学部4年(2023年時点)。

高校1年生の頃、自信のなさやいろいろなことに悩み続け、「一歩が踏み出せない自分を変えたい!」と思い、東大受験を決意。しかし、数学では一桁の点数を記録したり、受験勉強とは何をどのように勉強したらよいのかわからず、多くの悩みに直面する。そんなときに出会ったのが手帳であった。自分は勉強が苦手なだけでなく、自分に合った勉強法も見つけられていないのだと気づく。

手帳を書き始めると、自身の性格や考え方を踏まえて勉強と向き合えるようになり、自分の行動も気持ちも大きく変化していくことを手に取るように感じた。その後、3年間10~14時間受験勉強に励み、高校から学年1人東大に現役合格。

大学入学後は、自身と同じような悩みを抱える中高生の背中にそっと寄り添い、少しでも笑顔を届けられたらという気持ちから、リアルドラゴン桜プロジェクト講師をはじめとし、全国各地で講演会を行うほか、書籍や連載、記事の執筆に励んでいる。

※本連載は、松島かれん氏の著書『無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集したものです。

無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術

無理せず自然に成績が上がる勉強のトリセツ 東大生の合格手帳術

松島 かれん

日本能率協会マネジメントセンター

【偏差値39から東大現役合格を実現!】 高校1年生の頃、自信のなさやいろいろなことに悩み続け、「一歩が踏み出せない自分を変えたい!」と東大受験を決意した松島かれん氏。しかし、数学では一桁の点数を記録したり、受験…

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