88歳の高齢女性…地元を離れ「都会の高級老人ホーム」入居も1ヵ月で「家に帰りたい」と涙のワケ

88歳の高齢女性…地元を離れ「都会の高級老人ホーム」入居も1ヵ月で「家に帰りたい」と涙のワケ
※画像はイメージです/PIXTA

地方で一人暮らしをする母親。生活支援が必要になり、子どもたちが老人ホームをすすめますが、エリアをどこにするかで揉めてしまいます。最終的には子どもたちに近いホームを選んだのですが……。みていきましょう。

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設備も居室も十分すぎる老人ホームとの出会い

お目当ての老人ホームは「随時見学受付中」ということで、すぐに見学を受け入れてくれました。当日は次女の夫と、次女の高校生の娘、つまり孫も同行し賑やかな雰囲気になりました。駐車場につくと孫が「きれいな建物! リゾートホテルみたい」と歓声をあげました。

 

エントランスを入ると、美しい花があちこちに飾られ、高級そうなソファが置かれています。孫はその一つに座り「気持ちいい!」とまた歓声です。孫の様子に椎名さんも目を細めています。館内には温泉、フィットネスジム、エステ、カラオケ、陶芸室、楽器室、遊技場などあらゆる趣味に対応できる施設が揃っています。広い敷地には入居者とスタッフで世話をしている畑や花壇があり、土いじりが好きな椎名さんには嬉しい限りです。

 

個室は狭すぎず広すぎず、一人暮らしには十分なスペースが確保されていますし、自室で料理ができるキッチンも備え付けられています。漬物や佃煮など、田舎の味もここで再現できそうです。

スタッフの質も食事の相性も最高。ここなら安心して生活できる

参加した試食会での食事は椎名さんの舌に合っていました。その日の気分でメニューを選べるのも気に入りました。また、スタッフが馴れ馴れしすぎず、それでいて気の利くサポートをしてくれるのも好感が持てました。

 

ここならリラックスして生活できそうだと椎名さんは判断し、次女に頼んで入居の準備を勧めてもらいました。田舎の自宅は空き家になると傷んでしまうので、売却の準備も同時に進行することに。緊張しながらも数か月後には入居が叶いました。

入居から1ヵ月、突然の体調不良に…原因は方言

入居すると新鮮な毎日でした。最初のころはスタッフがしょっちゅう声をかけてくれて、わからないことにはすぐ対応をしてくれました。毎日のように温泉で体を癒し、陶芸教室に参加するのも楽しみになりました。

 

ところが入居して1ヵ月ほど経つと、椎名さんから笑顔が少しずつ消えていきました。生活に慣れてきたと判断したスタッフが椎名さんに同行することが減ったせいか、気づくといつも一人になっていたのです。

 

ほかの入居者たちが楽しそうに会話をしている輪に入っていけないのです。その一番の理由は方言でした。全国的にも強い方言で有名な地方で生活してきた椎名さんは、スタッフとの会話でも何を言っているか理解してもらえない経験を何度かしていたので、入居者と話すのが怖くなってしまったのです。たまに話しかけてくれる入居者がいても、作り笑いをするだけで会話に至りません。

 

そのような日々が続くと、椎名さんは微熱を出したり、胃腸障害を起こしたりと明らかに体調の崩れを見せるようになります。施設から連絡を受けた次女が、椎名さんに話を聞きにやってきました。静かに涙を流しながら「一人はつらい。家に帰りたい……」そうつぶやく椎名さんに、次女は都会暮らしが母に与えたプレッシャーに気づいたのです。

プロの手を借りて、親子とも満足できる住まいを探す日々

自宅は売却先が決まってしまい戻ることができません。今、子どもたちは椎名さんが慣れ親しんだ地元に満足できるホームがないか、老人ホーム選びのプロに相談しています。

 

子どものそばなら安心してもらえると思っても、やはり生活の主体は老人ホーム内での暮らしです。親子ともに安心できる住まいが決まることを願うばかりです。

 

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本連載は、株式会社パセリが運営する「MY介護の広場 老人ホームを探す『高級老人ホーム特集』」内の記事を転載・再編集したものです。

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