子どもにとっては時にご褒美になったり、何かを頑張るためのモチベーションにもなるおやつ。でもそれだけではありません。おやつは上手に取り入れれば、子どもの成長に大事な栄養補給にも役立ってくれるのです。そこで今回は口腔クリニックの院長でもあり、分子栄養学の専門家でもある安藤麻希子先生にインタビュー。おやつの役割や栄養価の高いおやつの選び方を教えていただきました。
子どもの「おやつ」、どうあげたらいい?医師おすすめの栄養満点レシピ&市販のおやつ【栄養学の専門家が解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

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子どもにおやつが必要な2つの理由

おやつが必要な理由①:足りない栄養を補う

子どもが成長するためには多くのエネルギーやタンパク質などを必要とします。ところが小さな子ほど1食に食べられる量が限られていたり、消化吸収力がそこまで高くありません。ですから3食の食事だけでは足りないエネルギーや栄養素を補う「補食」としておやつをとる、というのが基本の考えになります。

 

おやつが必要な理由②:自律神経を整えて心身ともに安定させる

子どもは1食に食べられる量が少ないので、血糖値を維持する力も弱く、何も食べていない間に低血糖を起こすリスクもあります。脳の主なエネルギー源は糖ですから、低血糖によって脳に糖が供給されないと、交感神経が刺激されてアドレナリンが分泌されます。そうすると体が緊張したり、不安やイライラを感じるなど体調やメンタルに不調があらわれます。これまでの栄養学ではあまり注目されることはありませんでしたが、低血糖を防いで自律神経のバランスを整えるというのもおやつや補食の役割として知っておいてほしいポイントになります。

 

子どもの上手なおやつのとり方

おやつの量や内容は、性別や年齢、活動内容やストレスのかかり具合、一度の食事の量や消化吸収力などによっても個人差があります。

 

1〜3歳の乳幼児:フォローアップミルクで不足栄養をカバー

まだ母乳を飲んでいたり、食べられる量が少ない乳幼児の場合、3食の食事以外の栄養補給のベースにおすすめしたいのがフォローアップミルクです。実はこのくらいの年齢の子の多くがエネルギーと鉄とビタミンDが特に不足しており、特に完全母乳で育った子は鉄もビタミンDも欠乏リスクが高い傾向にあります。

 

母子手帳では1歳過ぎから牛乳を推奨していますが、牛乳には亜鉛や鉄の含有量が少なく、一方フォローアップミルクは鉄や亜鉛、またその他の栄養素も補給できます(現在日本のフォローアップミルクで亜鉛が含まれているものは限られています。海外製がおすすめ)。

 

プラス補食としてバナナやサツマイモなどまたオートミールを使ったクッキーなどは栄養価も高くおすすめです。

 

4歳以降:エネルギーとタンパク質、ミネラル補給

1日の食事の総カロリーに占めるおやつのカロリーは、だいたい10〜20%とされています。成長にともない、とらなければならない必要な摂取カロリーが増える3歳以降は、200キロカロリー程度を目安におやつをあげましょう。だいたいコンビニサイズのおにぎりで具材にもよりますが170~180kcalです。これを目処にすると分かりやすいと思います。エネルギーと一緒にタンパク質やミネラルも補えるようにおにぎりなら、鮭やかつお節の具材やしらすや青のり、わかめなどを入れる工夫をしてみてください。

 

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