子どもにとっては時にご褒美になったり、何かを頑張るためのモチベーションにもなるおやつ。でもそれだけではありません。おやつは上手に取り入れれば、子どもの成長に大事な栄養補給にも役立ってくれるのです。そこで今回は口腔クリニックの院長でもあり、分子栄養学の専門家でもある安藤麻希子先生にインタビュー。おやつの役割や栄養価の高いおやつの選び方を教えていただきました。
子どもの「おやつ」、どうあげたらいい?医師おすすめの栄養満点レシピ&市販のおやつ【栄養学の専門家が解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

栄養面で優れたおすすめのおやつ

ここではお店で買うことができるおやつから、誰でも手軽に作れるおやつ、最後に私がおすすめしたい手作りおやつのレシピをご紹介します。

 

①忙しい方に市販のおやつ

・無印良品

添加物を極力減らしたおやつが多く取り扱われています。

・亜鉛補給にミックスシード

健康食品を取り扱うお店などでは、亜鉛を多く含むゴマや松の実、カボチャ・ひまわりのタネがパックになったものが売られています。アイスクリームやヨーグルトにトッピングするとお子さんでも食べやすいです。

・ミネラル補給にごませんべい

おせんべいならゴマ入りや大豆入りなどを選ぶとミネラルも補給できます。

・フィッシュアーモンド

煮干しとアーモンドでカルシウムやマグネシウムのミネラルがたっぷり。子どもに与えたいおやつの代表格です。

 

②簡単&ラクに作れる安心おやつ

・ふかしいも+バター

カロリーと脂質が一緒に摂れるので痩せ型の子にもおすすめ。他にじゃがいもにオイルをまぶしオーブンで焼き、最後にアオサを振りかける手作りフライドポテトもおすすめ。

・トッピングヨーグルト

ヨーグルトに果物やナッツをトッピングしてビタミンやミネラルも補給。また優れた健康効果で注目のMCTオイルもすぐにエネルギーになりおすすめです。

・きなこ餅

きなこはとても栄養価が高く子どもも好きなのでおやつにピッタリ。砂糖と一緒にお餅にまぶすだけで、糖質とタンパク質を一緒に摂ることができます。きなこの他にチーズをのせたお餅もお手軽です。

 

③栄養満点手作りおやつ マグネシウムボール

私のイチオシの手作りおやつをご紹介します。デーツを使いマグネシウム豊富なアーモンドやココア、オートミールを使用したチョコレート風の菓子で、チョコ好きも大満足。子どもと一緒なら泥んこボールを作っているように楽しめます。

 

<材料>

デーツ:180g

オートミール(ロールドオーツ):適量

アーモンド:適量

ココアパウダー:20gくらい

塩:ひとつまみ

あればココナッツファイン:適量

※その他クルミ・レーズン・バナナ・シナモンなどお好みの具材に変えたり、追加するのも可

 

<作り方>

1.デーツを大さじ1〜2の水につけて柔らかくしてから、キッチンバサミで小さ目にカット

2.デーツをフードプロセッサーに入れる

3.オートミール、アーモンドもフードプロセッサーで粉砕

4. 2に3を混ぜココアパウダーも混ぜる。パサパサする場合はデーツをつけておいた水を少しずつ加えて硬さを調整

5.お好みの大きさに丸める。(写真は直径1.5cmくらい)

6.でき上がったマグネシウムボールにココナッツファインをまぶす(なくてもOK)

7.冷蔵庫で冷やす

※ボールを丸める時に少し手に油やギーをつけておくとくっつきにくくなります。

パパママも子どもと一緒におやつの時間を

今回は栄養療法の観点からお話をしましたが、ここでご紹介したおやつが必ずしも子どもが食べたいものかというと、どうしても違ってくるかと思います。糖質は一切ダメという考え方の先生もいますし、過去には子どものおやつはナッツや卵だけとストイックにやった結果、親子関係をこじらせてしまったケースも見てきました。大切なのはバランスだと思います。おやつは子どもにとっての楽しみでもありますので、好きなおやつにプラスして栄養補給の観点からのおやつももう1品、といった感じでもいいのではないでしょうか。

 

子どものために手作りおやつと聞けばハードルも高く、パパママが元気でないとできることではありません。特にママは、子どもには食べさせるけれど自分は食べないという方が多く心配です。夕飯の支度を始める時間帯というのは、親御さんも低血糖を起こしてイライラしがち。ぜひパパママも子どもと一緒におやつをつまんで、元気に過ごしてください。

 

【話を伺ったのは】

ando makiko/歯科医師

オーソモレキュラーアカデミー主宰/一般社団法人分子整合栄養医学普及協会 代表理事/あんどう口腔クリニック院長 歯科医師。 日本歯科大学卒業。札幌医科大学口腔外科臨床研修医を経て、開業医の勤務医として一般歯科治療に携わる。「ママは家庭のドクターになれる!」をモットーに、分子整合栄養医学の知識をもとに個々に合わせた栄養療法を伝えている。