子どもにとっては時にご褒美になったり、何かを頑張るためのモチベーションにもなるおやつ。でもそれだけではありません。おやつは上手に取り入れれば、子どもの成長に大事な栄養補給にも役立ってくれるのです。そこで今回は口腔クリニックの院長でもあり、分子栄養学の専門家でもある安藤麻希子先生にインタビュー。おやつの役割や栄養価の高いおやつの選び方を教えていただきました。
子どもの「おやつ」、どうあげたらいい?医師おすすめの栄養満点レシピ&市販のおやつ【栄養学の専門家が解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

おやつを食べるベストなタイミングは?

保育園や幼稚園では午前と午後におやつの時間がありますが、本当は小中学校でも同じような時間におやつを食べられるのが理想です。健康な人の場合、食後に血糖値が上がり、2時間くらいで下がっていきます。この食後2、3時間に少しおやつ食べることにより、低血糖を防ぎ交感神経の過緊張を抑えてくれます。実際には午前中のおやつは難しいのが現状なので、学校から帰ったら宿題や遊びに行く前に必ずおやつを食べてもらいましょう。

 

さらに補足すると、食が細い子については就寝前の1、2時間前のおやつもおすすめしています。寝る前は胃腸を休ませたほうがいいという話もありますが、食べられる量が少なかったり体質によっては、寝ている間に夜間低血糖を起こす場合があります。そうすると何度も目が覚めたり、歯ぎしりや食いしばりが起きやすく、眠りの質の低下にもつながります。夕飯の2、3時間後くらいに少しだけエネルギーを補給しておくと、熟睡しやすくなります。

 

おやつを選ぶときの注意点

①食品添加物をできるだけ避ける

最近、特に注目されているのが、人工甘味料です。具体的な名称をあげると、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム(アセスルファムK)、サッカリンナトリウム。人工甘味料は腸内細菌のバランスや血糖値コントロールを乱すだけでなく、発ガンの原因になる可能性も示唆されています。また「ゼロカロリーなので体にいい」という誤解もあるのが問題です。

 

添加物でもう一つ注意したいのがリン酸塩。ミネラルと結合して吸収を妨げる性質があるので、最近問題にされている新型栄養失調の一因とも考えられています。リン酸塩を含んだ食品を摂った場合は、できるだけミネラルの多い食事を心がけましょう。

 

②活動量に見合ったカロリーを摂取する

砂糖が多すぎるものは避けた方がいいですが、激しい運動をするような場合は適切な糖質も必要です。運動をする子におすすめなのは、おにぎりよりもカロリーが高いお稲荷さん。極端な健康志向で砂糖も炭水化物も取らない方がいいと考える方もいますが、実際には運動をしているお子さんの多くがエネルギー不足で、中には成長障害から身長が伸び悩んでいる。というご相談もよく受けます。お稲荷さんは寿司飯にするので糖質がプラス。油揚げから、たんぱく質と脂質、カルシウム、鉄の摂取が期待できます。運動に見合った必要なカロリーを満たすことが大切です。

 

③糖質とタンパク質のどちらも含まれたものを

筋肉や骨などのためにできればタンパク質も含まれたものが望ましいのですが、子どもの場合注意したいのがタンパク質だけではなく、すぐにエネルギー源となる糖質もあった方がいいということです。大切なタンパク質も、必要なエネルギーが満たされてこそはじめて体の中で筋肉などの材料として使われます。エネルギー不足の状態ではせっかくとったタンパク質もエネルギーとして使われてしまいます。