(※写真はイメージです/PIXTA)

個人事業主や本業以外で一定以上の収入を得ている人なら、誰しもが受ける可能性がある「税務調査」。突然やってくる税務調査官に慌てることのないよう、不動産投資家がよくチェックされるポイントについて、税理士の木戸真智子氏が解説します。

不動産投資家が税務調査でチェックされるポイント

①代表的なチェックポイント

不動産投資家がチェックされるポイントとして考えられる代表的なものは、経費の内容や売却価格や地代の客観性、管理費などのお金の流れが問題ないかという点です。

 

②そのほかの注意すべきチェックポイント

個人と法人間でのお金のやりとり

不動産投資をしていると、法人成りや、資産管理会社を設立していることも多くあり、個人と法人間で不動産の売却や賃料や管理費のやり取りがあるケースもあります。このあたりに恣意性がないかどうかも大きなポイントです。

 

不動産の売却金額が妥当なものであったかどうかも、売却の際には評価額も確認して資料を残しておく必要があります。

 

賃料や管理費も同様です。相場を把握し、地代の場合には、無償返還の届出を税務署に提出していることもあり、整理しておく必要があります。賃料や管理費の金額についても定期的に見直しをしておきましょう。

 

上記の契約書が揃っているかどうかも確認します。契約書の内容では、更新が行われないままになっていないかどうか、「契約期間」を特に注視すべきです。

 

大家の会での食事代・会費、視察に行った際の旅費などの経費

多くの方が気になるポイントは「経費」ではないかと思います。これは経費になるのかどうかがわからないときは税理士に相談しましょう。意外と経費と考えられることも多くあります。

 

不動産投資家の方からよく質問されるのが交際費や大家の会での食事代や会費、セミナー代、書籍代、視察に行った際の旅費などです。

 

これらは不動産投資業に関係があるのであれば、もちろん経費です。税務調査の際に、どのように関係がある経費なのか説明できるよう、メモや資料を残しておきましょう。

 

たとえば、視察にいった旅費であれば、視察に行った際の物件資料やそのとき対応してくれた不動産会社の担当者の名刺などを保管しておくなどです。日当がある場合には、しっかり旅費規程や精算書も整理しておきましょう。

 

「税理士の○○先生は税務署出身で税務調査に強く、あの先生なら税務調査が来ないし、なんでも経費にしてくれる」といった話を耳にすることがあります。

 

調査の対象になるのは不動産投資家本人です。あくまで税理士は税務代理という立場で立ち会いをします。もし実際に税務調査が来たときに、なんでも経費にしてくれたその税理士の先生は、本当に最後まで責任をもって対応してくれるでしょうか。

 

税務調査の結果、修正があった場合には、加算税がかかります。もし悪質なものとされた場合には、重加算税がかかります。最終的にはそれらを課されて支払うことになるのは、不動産投資家自身であると考えた場合に、後悔のないように日々の帳簿整理をしておくことをおすすめします。

最も重要なのは、日ごろからの準備

税務調査はいつ来るのか、それとも来ないのか、それは誰にも予測できません。予測できないからこそ、日ごろの準備が必要です。税務調査の際にしっかり自分の代弁をしてくれるように税理士と日ごろからコミュニケーションをとっておくことも大事です。

 

税務調査において、調査官にいわれるがまま認めていると事実を反した結果になってしまうことも多くあります。

 

「それは違います。こうですよ」と説明できるような状況であることが重要です。事前に心掛けて帳簿や書類整理をしておけば、いつ税務調査が来ても不安に思うことはありません。

 

 

木戸 真智子

税理士事務所エールパートナー

税理士

 

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本記事は『アパート経営オンライン』内記事を一部抜粋、再編集したものです。

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