(※写真はイメージです/PIXTA)

2020年国勢調査の結果によれば日本の65歳以上の高齢者の約5人に1人が「ひとり暮らし」です。多くの人が日常生活や死後の手続き等について悩みを抱えていると推察されます。その悩みを解決するのに利用できるサービスについて、税理士の関根俊輔氏、社会保険労務士の関根圭一氏、司法書士の大曽根佑一氏が監修した『人生の最期に間違えない 生前整理と手続きがぜんぶわかる本』(新星出版社)から一部抜粋して紹介します。

「生前」「死後」をトータルでフォローしてくれるサービス

◆おひとりさまの「3つの分野の悩み」をサポート

高齢のひとり暮らしだと、心配はつきません。生きている間は銀行や役所、病院や介護関係の手続きの問題、亡くなったあとには葬儀・埋葬、財産の処分をどうするかという問題があります。また、認知症を患ってしまった場合にどうするかという問題もあります。

 

これらの悩みについて、兄弟姉妹などに頼むことができれば問題ないでしょうが、そもそも親しい親族がひとりもいないケースもあるでしょう。

 

そこで、こうした不安を解消するためのサービスも増えてきました。「身元保証等高齢者サポートサービス」です。サービス内容は大きく分類すると「生前事務委任契約」「死後事務委任契約」、さらに認知症になったときに備える「任意後見契約」の3つです。

 

それぞれ、受けられるサービスの概要は以下の通りです。

 

【生前事務委任契約(生前のフォロー)】

・身元保証(入院時、施設入所時、賃貸住宅への入居時等

・医療行為の同意(手術の同意、延命治療の判断等)

・入院・入所時の同行

・退院・退所時の身柄の引き受け

 

【死後事務委任契約(死後のフォロー)】

・各種届出(死亡届、健康保険証の返却、年金・介護保険の手続き等)

・未払いの治療費や家賃の精算

・遺体の引き取り、葬儀、埋葬

・住宅の片付け、売却

・賃貸住宅の原状回復

 

【任意後見契約(認知症になった場合への備え)】

・判断能力が衰えたときに備え、「誰に何を支援してもらうか」あらかじめ自分で決める

 

業者によってサービス内容・金額は異なり、全てを依頼することもできれば、部分的に依頼することも可能です。

 

提供されるサービスは「おひとりさま」の悩みを網羅するため、介護に関することから法的なことまで多岐にわたります。そのため、業者が全てを行うわけではなく、外部の専門家と提携しているケースがほとんどです。

 

◆業者に依頼するときの「お金」に注意

毎月支払いが発生する案件、利用する際に支払いが発生する案件と、サービスによって支払いパターンも支払額も異なります。予想外の料金が発生しないよう気をつけましょう。

 

また、契約の際には「預託金」を支払うことが多いのですが、契約を解除した際に預託金の返金を拒まれるケースが多々あります。

 

◆契約が履行されるか確認できない

業者に全てを委託し、支払いの問題をクリアしても、肝心の業者が倒産すると契約は履行されません。業者の経営状態を調べることは難しくても、利用者からの評価はインターネットで調べられます。誠実度を測る判断材料のひとつとして評価を精査してください。

 

どのような契約でも共通のことですが、一社で決めないことです。複数の業者から説明を受け、サービス内容、金額だけでなく、担当者の対応も含めて検討しましょう。

人生の最期に間違えない 生前整理と手続きがぜんぶわかる本

人生の最期に間違えない 生前整理と手続きがぜんぶわかる本

関根俊輔・関根圭一・大曽根佑一

新星出版社

【生前整理の関心が高まっている!】 「親を亡くし、その後の手続きや実家の片づけに苦労した」という話は枚挙に暇がありません。まず遺産分割があります。遺言書があればいいのですが、なければ財産の洗い出しをし、それにあ…

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