前回は、不動産ファンドの見極めに有効な「ER」「不動産鑑定評価書」について説明しました。今回は、クラウドファンディング型の不動産ファンドのリスクについて見ていきます。

倒産した際の対策が講じられているかをチェック

クラウドファンディングの形で不動産ファンドに投資する場合には、その仕組みに由来するリスクも存在することになります。レンディング型であれば、まず、借り手が資金の返済をしなくなった場合には、出資金の元本額が全額返ってこないおそれがあります。

 

また、クラウドファンディングの運営会社が倒産した場合には、預け入れた投資用資金が返還されない危険があります。レンディング型の商品を選ぶ際には、こうしたリスクに対して、十分な対策が講じられているか否か、つまりは確実に収益を確保できる体制が整えられているかをチェックすることが必要となるでしょう。

クラウドファンディング由来のリスクの回避の一例

ちなみに、筆者の会社の手掛ける商品に関しては、以下のような形でリスクヘッジが行われています。

 

①案件のクオリティを保つ

ファンドを組成する際には、半世紀以上にわたり、不動産業に従事してきたロジコムのノウハウやネットワークを生かし、数多くの投資案件の中から最良の案件を選べる体制が整えられています。また、案件の選択にあたり重要になる「不動産の目利き」については、筆者の会社LCパートナーズが担当しています。長年、不動産投資に携わってきたCIO(最高運用責任者)、スタッフの知識・経験をもとに、安全かつ優良な不動産を選別するよう努めています。そして、こうして選りすぐられた優良不動産への投資機会を、IT技術を駆使して個人投資家に提供する―その役割をLCレンディングが責任を持って担っています(不動産ファンド投資とITを融合した我々の試みは、今話題のフィンテックの流れを先行するものといえるかもしれません)。

 

さらに、不動産を運用するにあたってはPM会社の役目も重要になってきます。当社の取り扱う商品は、ロジコムのグループ会社が担当します。同社の長年のノウハウを生かし、不動産の維持・管理と価値向上も十分に図られています。

 

②信用力を維持する

上場企業であるロジコムが、各企業の透明性の確保に努めることでファンド全体の信頼性を維持していくのはもちろんのこと、さらに筆者の会社が取得する個々の不動産のテナントに対しても適切な配慮を怠りません。主として信用力の高い大手のスーパーグループなどが入居している商業施設をターゲットとし、しかも核テナントとは長期の定期賃貸借契約を締結しているものが多いため、テナント撤退のリスクは極めて低く、投資家への出資金の返還や配当が行われない危険は最大限に排除されています。

本連載は、2016年3月28日刊行の書籍『ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。本書に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本書の内容は著者の個人的な見解を解説したものであり、著者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本書の情報を利用した結果による損害、損失についても、出版社、著者並びに本書制作関係者は一切の責任を負いません。投資のご判断はご自身の責任でお願いいたします。

ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資

ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資

小山 努

幻冬舎メディアコンサルティング

投資で資産を増やさなければ、将来の見通しが立たない――。 一般のサラリーマンの間でも、企業や社会保障に頼らずに資産をつくるしかないと、「貯蓄から投資へ」向かう傾向が強まっています。 本書では、理想先な投資先とし…

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