前回は、不動産ファンド選びの参考になるAM会社の「投資戦略」を取り上げました。今回は、資産形成の実現に不可欠な「投資商品」の基礎知識を見ていきます。

不動産ファンド投資は小額からスタートし、感触を掴む

クラウドファンドを用いた不動産ファンド投資は、1万円単位の少額な金額から始めることができます。もちろん10万円、100万円単位の金額を投資することも可能ですが、初心者の間はあまり多くの金額を投じないほうがよいでしょう。

 

まずは、数万円程度でスタートしてみて、「なるほど、不動産ファンドとはこういうものなのだな」と自分なりの感触をつかんでみることをお勧めします。投資する金額を増やしていくのは、それからでも遅くありません。

 

また、不動産ファンド投資により、ある程度の資産を形成することができたら、より大きなリターンを狙える投資にチャレンジしてみてもよいかもしれません。それによって、「投資でこれだけの資産を蓄えたい」と目標にしていた額に予定よりも早く到達することや、あるいは目標とする額以上の資産を得ることが可能となるでしょう。

 

ここからは、不動産ファンド投資をスタートした後、さらに資産運用の選択肢を広げていく上で心得ておきたい投資の一般的なポイントについて解説していきましょう。

FX等の投機的な商品への投資は避ける

まず、第一にあげたいのは、「投機的な商品への投資は避ける」ことです。金融商品の中には、それこそ1日で元本を2倍、3倍に増やすことも不可能ではない”超ハイリターン”な投機的商品が存在します。しかし、それらはどれもリスクが非常に大きく、逆に一日で全ての財産を失う危険さえあります。

 

今、話題となっているFXはその代表例といえます。FXとは「Foreign Exchange」の略称であり、日本名を「外国為替証拠金取引」といいます。少額の証拠金にレバレッジをかけて為替取引を行うもので、たとえば「ドル安=円高」のときにドルを買い、「ドル高=円安」のときにそれを売ると、レバレッジ効果によって大きなリターンを得ることができます。

 

しかし、逆にドル安がさらに進むと、大きな損失を被ることになり、損失額が一気に証拠金の額を上回ってしまうことも珍しくありません(図表参照)。

 

[図表]FXの仕組み

 

FX投資家のブログや業者の宣伝広告などの中では、「ドルのロング(買い)で1億円儲けた!」「わずか1日で100万円も利益が出た!」などと威勢のいい言葉が並んでおり、まるで確実に利益を得られるような印象を受けますが、決してそんなことはありません。為替はわずかな時間で大きく変動することが少なくなく、その動きを予測することはプロの為替ディーラーでも難しいといわれているのです。

 

そのため、FXで成功している人はごくごくわずかであり、ほとんどの人は失敗して、中には多額の借金を負う羽目に陥っている人も少なくありません。FXは投資というより投機です。

 

このように、投機的商品に手を出すことは身の破滅にもつながりかねません。絶対に手出しは禁物です。

ローリスクで年利7% 1万円から始める不動産ファンド投資

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小山 努

幻冬舎メディアコンサルティング

投資で資産を増やさなければ、将来の見通しが立たない――。 一般のサラリーマンの間でも、企業や社会保障に頼らずに資産をつくるしかないと、「貯蓄から投資へ」向かう傾向が強まっています。 本書では、理想先な投資先とし…

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