不動産市場の全体的なトレンドは「地価」に現れる
確実に高利回りを実現する不動産ファンドを選ぶためには、不動産および不動産投資にかかわる各種の情報を様々な手段を用いて集めることも求められます。
まず、不動産ファンドのパフォーマンスは不動産市場の動向に大きく左右されることになります。そこで、まずはマーケットの全体的なトレンドを知るために、地価の動向を把握する必要があります。地価に関する主要なデータとしては、①公示地価と②路線価があげられます。
①公示地価とは、国土交通省の土地鑑定委員会によって毎年公表される、同年1月1日時点における標準地の価格のことです。一方、②路線価は、街路に沿接する標準的な土地の単位地積(1平方メートル)あたりの価格を示したもので、国税庁によって公表されています。
なお、路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類がありますが、一般的に路線価という場合には前者を指します。いずれも、国土交通省、国税庁それぞれのホームページで確認することが可能です。
【図表1 地価公示の一例】
公示地価は国土交通省のホームページ(http://www.land.mlit.go.jp/
landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0)で確認できる。
【図表2 路線価の例】
路線価は国税庁のホームページ(http://www.rosenka.nta.go.jp)で公表され
ている。
金利の推移からも、今後の不動産市況が予測可能
また、不動産マーケットは、金融環境の影響を大きく受けます。とりわけ重要となるのは、金利の動向です。
先にも触れたように金利が低ければ金融機関から不動産購入の資金を調達しやすくなるので、結果的に、不動産市場の活性化がもたらされることになります。逆に金利が上がれば、資金を調達しにくくなるのでマーケットの停滞を引き起こすかもしれません。このように金利の推移をみることで、今後の不動産市況を予測することが可能となるわけです。
金利をチェックするための主要な指標としては、基準金利であるLIBORやTIBORが一般に参照されています。
LIBOR(LondonInterbankOfferedRate)はロンドン市場における銀行間取引金利のことで「ライボー」と呼ばれています。英国銀行協会(BBA)によって、米ドル、ユーロ、日本円などの通貨ごとに1日1回公表されています。
一方、TIBOR(TokyoInterbankOfferedRate)は東京市場における銀行間取引金利であり、「タイボー」と呼ばれます。全国銀行協会(全銀協)が複数の有力銀行から報告されたレートを集計して、LIBORと同様に1日1回公表しています。
また、より身近な金利の指標としては、住宅ローン金利も参考になります。自分が口座を開いている銀行などのホームページで、現在、どの程度の利率になっているのかを確認してみるとよいでしょう。
【図表3 住宅ローン最低金利の推移(フラット35のケース)】