「仕事一筋の夫」を支えていた妻…ストレスに耐えきれず
これまで仕事一筋でがむしゃらに働いてきたAさん(59歳)は、子育ても家計管理も専業主婦の妻Bさん(56歳)にまかせっきり。自分名義のクレジットカード(家族カード)を渡して、家計の支出が月いくらなのかも把握していませんでした。
60歳の定年が近づいたある日、家に帰ると思い詰めた顔の妻が。Aさんが「どうした?」恐る恐る聞くと、涙をながして「ごめんなさい……!」と謝るBさん。
Aさんがなだめてワケを聞いたところ、ストレスからくる爆買いが止められず、ついに預金残高が100万円を切ってしまったとのこと。
Aさんが「なんでこんなことになるまで相談してくれなかったんだ!」と問い詰めたところ、
・Aさんが毎日夜遅くまで働いており、日常的な会話すらほとんどできなかったこと
・専業主婦である自分(Bさん)には社会とのつながりがなく、ネットショッピングと買ったものを自慢するためのSNSが大きな生きがいになっていたこと
・ブランドの服やバッグが増えていても、Aさんがまったく気づいていなかったこと
などの理由を聞き、一方的に怒ることはできないとAさん自身も反省したそうです。
Aさんの資産状況
近々60歳を迎えるAさんは部長職を退任予定で、退職金3,500万円が支給されます。その後65歳までの再雇用を選択した場合、年収は現在の1,050万円から600万円まで減る予定です。
また、Aさんには住宅ローンがあと2,000万円近く残っています。幸い子どもは社会人となっており学費などはかかりませんが、老後を迎えるにあたり、資金面の不安は拭えません。
住宅ローンは退職金でまかなえるが…
家計管理の一切をBさんに任せていたAさんは、これまで好きにお金を使っていました。それでも大きな贅沢はしていなかったため、貯蓄は順調に増えていると信じて疑わなかったそうです。それが実際は100万円を切っているというのは衝撃的な事実でしょう。しかしこれが現実であり、済んでしまったことを言っても仕方ないところ。これからどうするかが大事です。
60歳までは1050万円の年収、また、60歳以降については、年収は600万円に減りますが、とりあえず、住宅ローンについては退職金も使って賄えそうです。
ただし、退職金を住宅ローンに充てるとなると、老後資金が不足します。つまり、完全にリタイアして以降の生活に大きな不安が残ります。そのため、Aさんは59歳の今から、改めて老後資金を増やしていくことが大切です。
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