社会保障と税の一体改革でより広がる在宅医療
膨らむ一方の医療費に加えて、こうした問題を防ぐために厚生労働省が打ち出したのが、社会保障と税の一体改革である「施設から在宅へ」という方針です。今後は在宅医療にシフトしていきますので、自宅で家族の誰かが中心になって高齢者の介護をするようになるのです。
国民生活基礎調査(2013年)によると、介護が必要になる主な原因は脳血管疾患や認知症、高齢による衰弱が上位を占め、介護まではいかないまでも介助が必要となる原因は関節疾患や高齢による衰弱、骨折や転倒が上位を占めています。
このデータからも、老化や生活習慣病が寝たきりや介護の背景にあることがわかるのではないでしょうか。したがって、皆さんが直接介護する側となり、またご自身が心疾患や脳血管疾患を患って介護される側になったときは、配偶者やお子さんに負担がかかってくるということです。
これからの10年間をどのように過ごすかが重要
さらに、介護している人の約7割が日常生活での悩みやストレスを抱えており、その原因の8割近くが「家族の病気や介護」だとされています。ご自身の病気や介護によるストレスは3割弱ですので、いかに自分の健康が二の次にされているかが見て取れます。
ご自身のことを顧みることが難しい状況のなか、ストレスを溜め込んだ皆さんの体は悲鳴を上げ、健康状態も悪化することでしょう。
したがって、これからの10年間をどのように過ごすかが、皆さんが将来、健康で生き生きと充実した老後が送れるかどうかの分かれ目になるといっても過言ではありません。
これまでの統計でも寝たきりになる原因の1位は脳血管疾患で、2位が認知症とされていることから、これらをいかに予防するかがカギとなります。それには、どのようにして体の酸化を食い止めるかにかかっているのです。
【図表 介護が必要となった主な原因】