比マルコス大統領「次年度予算案」提出…重点配分にみる、2024年「フィリピン経済」の行方

8月7日週「最新・フィリピン」ニュース

比マルコス大統領「次年度予算案」提出…重点配分にみる、2024年「フィリピン経済」の行方
写真:PIXTA

一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクターの家村均氏が、フィリピンの現況を解説するフィリピンレポート。今回は来年度の国の政策が明確に現れる、フィリピンの2024年度予算案の内容とともに、最新の不動産マーケットの動向についてみていきます。

フィリピン…第1四半期「住宅価格」10.2%上昇

フィリピン中央銀行(BSP)によると、住宅価格は、2023年第1四半期に10.2%上昇しました。

 

BSPのデータによれば、2023年1月から3月の住宅不動産価格指数(RREPI:The Residential Real Estate Price Index)は、前四半期の7.7%増加および2022年同期の5.7%の増加よりも大きな10.2%増加となりました。この期間の不動産価格の上昇は、新型コロナウイルスパンデミックのピークである2020年第2四半期の26.6%以来の大きさとなりました。

 

RREPIは、さまざまな住宅タイプや地域の平均価格変動を追跡しており、中央銀行に不動産市場に関する洞察を提供しています。銀行のリスク管理のために、BSPは不動産市場をウォッチしています。

 

フィリピンのコリアーズ・インターナショナルによれば、「デュプレックスや一戸建て/タウンハウスなどの水平プロジェクトに強い需要があり、市場はパンデミックから完全に回復しているとし、人々が物件を購入し、投資し始めているとしています。建設資材の高騰も不動産価格を押し上げた要因です。

 

BSPのデータによれば、1月から3月の間にデュプレックス住宅と一戸建て/タウンハウス住宅の価格がそれぞれ22.1%、17%増加しました。コンドミニアムの価格は第1四半期で1.2%上昇し、一昨年同期の14.5%の成長から大幅に鈍化しています。

 

RREPIによれば、首都圏(NCR)の住宅価格は前年同期比で+7.3%に減速し、地方圏(AONCR)では+11.4%でした。また、第一四半期における住宅ローンは、前年同期比で16%増加し、NCRとAONCRのローン別では、それぞれ16.5%と15.7%増加しました。この期間におけるローンの内訳としては、一戸建て(47.8%)、それに続いてコンドミニアム(32.8%)およびタウンハウス(18.9%)の順番でした。

 

フィリピンの新築住宅価格の平均価格は、1月から3月の期間で1平方メートル当たり73,724ペソ。NCRの平均価格は1平方メートル当たり123,053ペソで、AONCRの平均査定価格は1平方メートル当たり51,459ペソでした。

 

今年は、企業および消費者の楽観的な見通しにより、住宅市場への需要は引き続き強いとされています。経済は持続的なペースで成長しており、海外フィリピン人労働者(OFW)からの安定した送金があります。地元の従業員にとっても良好な企業環境により、給与の増加につながる見通しです。これらの要因が住宅需要を刺激し、特に地方圏(AONCR)で不動産価格を引き続き上昇させるとみられています。

 

 

 

※当記事は、情報提供を目的として、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングが作成したものです。特定の株式の売買を推奨・勧誘するものではありません。
※当記事に基づいて取られた投資行動の結果については、一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティング、幻冬舎グループは責任を負いません。
※当記事の比較するターゲット株価は、過去あるいは業界のバリュエーション、ディスカウントキャッシュフローなどを組み合わせてABキャピタル証券のプロアナリストが算出した株価を参考にしています。

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