人と組織の成長を阻む“諸悪の根源”…。いくら優れたハウツーを導入しても「自律的なチームが育たない」ワケ

人と組織の成長を阻む“諸悪の根源”…。いくら優れたハウツーを導入しても「自律的なチームが育たない」ワケ
(※写真はイメージです/PIXTA)

「計画したのに思うように進まない…」という経験は、企業、学校、家庭でも、至るところで生じています。この原因について、『賃金が上がる! 指示ゼロ経営』(内外出版社)の著者である米澤晋也氏は、同書で「計画者と実行者が別々になってしまっている状況」を指摘しています。本記事では、問題解決のカギとなる「PDS」とは何か、その説明と「組織を繁栄させるチーム体質の作り方」について、同書の中から一部抜粋・編集してお届けします。

 

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「PDS」を回し続けられるチームの体質を作るには…

みんなでPDSを回し協働することで、メンバーは、自分の居場所、仲間への感謝と尊敬、挑戦する愉しさ、成長の悦びなどを得ます。こうした蓄積が、「愉快でワクワク働ける風土」をつくります。

 

豊かな創造性が発揮され、顧客が喜ぶ価値が生まれます。顧客は、受け取った価値を「心のごちそう」として返してくれます。「心のごちそう」とは、お客様や仲間からいただいた感謝の言葉などを指します。心のごちそうを栄養に、さらに豊かな風土が醸成され、次の行動のエネルギーが生まれるという好循環が生まれます。こうして、「モチベーションと創造性の再生産システム」が稼働するのです。(以降、『再生産システム』と表記します(図表2))

 

[図表2]モチベーションと創造性の再生産システム

 

「心のごちそう」は、顧客からだけでなく仲間から受け取ることもあります。上司にとっては、部下の成長が何よりの「心のごちそう」だと思います。心のごちそうは、指示ゼロ経営を成功させるために欠かせない要件です。『再生産システム』を回し続けるエネルギー源だからです。心のごちそうがない状態で、いくら優れたハウツーを導入しても、やがて、PDSを回し続けられなくなったり、人間関係に歪みが生じたりして、行き詰まってしまうでしょう。

 

図解の中にある絵はエンジンです。指示ゼロ経営は、『再生産システム』のエンジンに火がつくまで時間がかかり、じれったい思いをしますが、一度エンジンが回ると、PDSを回し続け、自律的に成長します。当社で、エンジンがかかってからは、私は一度たりとも社員のヤル気を引き出すということをしたことがありません。褒めることも叱ることもしません。ただ、感謝と悦びを伝えるだけです。『再生産システム』にエンジンをかけることは、口で言うほど簡単ではありせん。相当な意思と根気を要します。

 

仕事が失敗に終わる時とは、PDSを回すのをやめた時です。PDSを回し続けられるチーム体質をつくることは、企業の繁栄にとって、最も重要な要件なのです。

 

 

米澤 晋也

株式会社Tao and Knowledge代表

株式会社たくらみ屋代表

一般社団法人夢新聞協会理事長

 

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賃金が上がる! 指示ゼロ経営

賃金が上がる! 指示ゼロ経営

米澤晋也

内外出版社

【内容】 本書の目標はズバリ、<賃金が上がる>企業を増やすことです。 しかし、賃金が上がらない時代において、“安易な賃上げ”は、かえって社員のモチベーションや企業の稼ぐ力を低下させてしまいます。そうならないため…

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