大半のビジネスパーソンが、「年収を上げたい」と考えているのではないでしょうか。理想として掲げる「キャリア」を実現した結果として、年収を上げていくためには、どのような行動が必要なのでしょうか。本稿では、東京エグゼクティブ・サーチの代表取締役社長・福留拓人氏が、年収アップをめざすビジネスパーソンが、いますぐ意識すべきことについて解説します。
“斜めに構えて物事に取り組む”人のほうが「キャリア形成&年収アップ」を両立できるワケ【転職のプロが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

「隣の芝生は青く見える」が…大体の場合、外に活路はない

ビジネスパーソンであれば大なり小なり関心のあるテーマだと思いますが、年収を上げるには何をすべきかという点について考えていきます。

 

業種によっては、厳しい成果主義を掲げ、極端に高い年収ゾーンを設定している会社があります。年収を上げること「だけ」を目的とする場合、現在のキャリアを度外視してそのような仕事にチャレンジするという選択肢はあるかもしれません。

 

しかし、ここでいう「年収を上げる」というのは、いまのキャリアの延長で年収を上げていくことを指します。最前線の営業部門と守備的な事務部門では一概に比べられませんが、初動で考えなければいけないことは何かという、スタンスについてのお話です。

 

もちろんキャリアにおいて年収がすべてではありませんが、少ないよりも多いほうがいいでしょうし、現職を続けるにしても転職するにしても、キャリアアップに伴って給料も上げていきたいと、多くの人が試行錯誤しているはずです。

 

実は年収の上げ方についてもっとも重要なことは、いまの職場で、受け取っている給料以上の働きをして爪を研いでいるかどうか、そこで力を蓄えているかどうか。これが結論です。

 

多くの人は「隣の芝生は青く見える」現象に陥り、勤めている会社の悪口や不平不満を口にしては、外に活路を見出そうとします。しかし、そうしたスタンスの人は短期的な転職を繰り返し、年収アップもキャリアアップも実現できない可能性が高いでしょう。

 

どんなに頑張っても報われない環境というのは、たしかにあります。

 

しかしここでも、「受け取っている給料以上の実績を挙げているかどうか」を考えなくてはなりません。現職での良好なパフォーマンスこそが外からの良いオファーの要因になることは、ヘッドハンティングの世界の常識です。会社が人材採用を行うときも、必ずその点を重視しています。

 

もらっている年収によって、達成しておかなければならないパフォーマンスは変わりますが、筆者の感覚値では、年収1,000万円のサラリーマンは会社に対して「年収の3倍」の貢献をしています。業種によって若干違いはあるものの、それが1つの基準です。「年収を上げたい」と考える人は、まずは現在所属している組織に対して、給料以上の貢献ができているかどうか点検してみましょう。