(※写真はイメージです/PIXTA)

近年、老後の生活資金不足や老後破産の問題が深刻化しています。老後破産へ陥る要因のひとつとして、「投資詐欺」が挙げられますが、一体どのような手口で詐欺に遭ってしまうのでしょうか。本記事ではFPの牧元拓也氏が、田中さん(仮名)の事例とともに、投資詐欺の具体的な手口や被害の深刻さについて解説します。

投資詐欺「ポンジ・スキーム」の仕組み

このような投資詐欺はポンジ・スキームと呼ばれ、下記のような仕組みです。

 

① 高配当を謳い出資させる

② 出資金を別の出資者へ配当金として分配

③ 実際には運用せず同様の手口で資金集めを繰り返す

④ やがて分配が滞り資金が戻らなくなる

 

田中さんの投資した資金が運用された結果、利益を得られたのではなく、実際には新たに投資した人のお金が田中さんに利益として分配されているだけでした。

 

このような詐欺の手口に引っかかるのは、魅力的な利回りや保証された元本など、金銭的な安定を求める人に多いと感じます。しかし、投資は常にリスクを伴うものであり、高利回りは高リスクであることを意味します。

「投資詐欺」に遭わないために注意すべき「4つ」のポイント

投資詐欺の被害に遭わないためには、以下の点に注意する必要があります。

 

1.高い利回りや元本保証された投資話には注意が必要です。過度に魅力的な話には疑問を持ちましょう。利益が確約されているような場合は、それが現実的かどうかを疑うべきです。

 

2.投資家や投資機関のバックグラウンドや信頼性を確認しましょう。適切なライセンスや認可を持っているかどうかを確認することが重要です。

 

3.定期的な報告や透明性がある投資を選びましょう。投資家とのコミュニケーションや資産の運用状況についての情報を入手することが重要です。

 

4.無理な投資をせず、自身のリスク許容度を考慮して投資を行いましょう。

 

追加の出資を求められた場も注意が必要です。特に、利益を受け取る前に新たな出資を要求されるような場合は、詐欺の可能性がより高いです。投資詐欺は、老後の生活を脅かす大きなリスクです。田中さんのように、一度騙されてしまうと、取り返しのつかない損失を被ることがあります。

 

また紹介者自身も騙すつもりはなく、本当によい投資だと思って紹介しているケースも多くあり、信頼している友人から紹介されると信じてしまうのも無理はありません。ただし、自身の資産を守るために、必要最低限の慎重さと知識の習得が重要です。

 

また、被害に遭った場合は、速やかに警察や金融庁の認可を取っている金融機関に相談しましょう。

 

 

牧元 拓也

ファイナンシャルプランナー

株式会社日本金融教育センター

 

 

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