賃貸物件は「万人受け」するほど客付けに有利
値下がりしにくい資産性の高いマンションとは、どのようなマンションでしょうか。前回もお話ししましたが、私が投資用として選ぶ際にポイントにしているのは、「誰が見てもいいと思う物件」であるということです。飛び抜けた利点がある物件よりは、欠点のない物件を選ぶようにしています。
賃貸物件の場合、借りたいと思う人が多い「万人受けする物件」ほど客付けに有利だからです。
ただ、物件には変えられる欠点と変えられない欠点、許容できる欠点と許容できない欠点があります。その物件の欠点については冷静な目で判断する必要があります。
●変えられない欠点
<駅からの距離>
不動産はその名のとおり、動かせない資産です。電車を使って通勤する人にとって、駅からの距離は住まい選びの最重要項目のひとつです。
ただし、都心ではバスの交通網も発達しているので、駅から遠くてもバス通勤のできるエリアは人気があります。たとえば広尾や恵比寿、目黒などがその例です。このようなエリアでは徒歩10分以上であったとしてもニーズは必ずあります。
<近隣の環境>
たとえ駅から近くても、治安が悪い、近隣にゴミ屋敷や嫌悪施設があるといった近隣の環境に問題のある物件は、避けたほうが無難です。
<幹線道路>
近年の健康志向により、いくら便利な立地でも、交通量の多い道路沿いで排ガスや騒音の激しい場所などは人気がなくなってきました。
喧騒を感じない上階や道路と逆向きのお部屋であれば別ですが、それ以外は基本的には避けたほうがいいでしょう。
<物件の外観や管理>
マンションの場合、自分の自由になるのは、自室(専有部分)のみです。一見して共有部分のメンテナンスや掃除が行き届いていない、美しくないマンションは避けましょう。
日当たりが悪いことを「欠点」だと思わない人もいる
<専有部分の内装・設備・インテリア>
築年数が古くても、改装(リフォーム)によって物件は生まれ変わります。中の設備が古い、汚いといった欠点も、リフォームやクリーニングでいくらでも変えることができますので、あまり内装にはこだわらないことです。
●変えられないが、許容できる欠点
<日当たり>
日当たりが悪いのは欠点ではありますが、「日中は働いていて、部屋にいないので気にならない」という人もいます。
駅近で日当たりが良いのが一番ですが、そのような物件は適正価格より割高になりがちです。北向きのお部屋や、南向きでも前に建物が立っているなど、日当たりは期待できないけれど、眺望が良かったり、周辺が静かだったりと、その物件の良さがほかにあれば十分投資用として価値があります。