※写真はイメージです/PIXTA

経済が停滞して給料がなかなか上がらないなか、一級建築士の飯村真樹氏は、「100年もつ家」を建てることで住居費を抑え、可処分所得を増やすことを提案しています。そのためには、建てる家が「長持ちする高性能な家」でなければなりません。鍵を握るのが「住宅会社」です。どのように選ぶべきでしょうか。飯村氏が著書『100年使える住宅で暮らす 後悔しないための資産を守る家作りの方法』(WAVE出版)より解説します。

会社の経営状態

さらに、突っ込んで書くと、会社の経営状態が悪いと、良い家は建てられません。当たり前ですよね。来月の資金繰りを必死に考えている会社の社長に住宅の品質に割く時間はありません。どんどん受注を取ってお金を回すことしか考えられません。とにかく契約を急がせる会社とは契約すべきではありません。

 

そのため会社の評判はとても重要です。会社を案内してもらったときや、現場を案内してもらったときなどに、社員の雰囲気、現場で働く職人の雰囲気を見ると、何となくその会社が良い会社かどうか、経営状態が良いかどうかがわかります。もし、少しでも不安を感じたらその会社を調査してもよいかもしれません。帝国データバンクや東京商工リサーチという会社が企業の経営情報を常にチェックして提供しています。

 

ネットでこれらのデータを購入することも可能ですし、心配がある場合は知り合いの税理士さん、不動産屋さんなどに相談してもいいでしょう。たいてい有料になりますが、企業情報を取ってくれる場合もあります。

 

「年間15棟以上の規模の工務店がおすすめ」と書きましたが、着工棟数が乱高下している会社も注意が必要です。それらは、オープンハウス、見学会などの開催頻度などからも類推できます。忙しい会社は全棟見学会を開けるわけではありませんが、小さい会社は全棟見学会を開催している場合も多いので、見学会開催が極端に減っているというのは危険な兆候です。

 

ほかには、「SUUMOカウンター」に登録するには3期以上黒字経営ができていないと参加できなかったり、直近の決算が赤字になると登録から外されたりすることもあります。基本的なことは、社長に聞いてみると、正直に話をしてくださる場合もありますので、ぜひとも経営状況を見極める工夫をしてください。良心的な会社だと決算書の開示を行なってくれるところもありますので、心配になったら請求するといいと思います。

 

経営状況を把握せずに契約してしまうと、建築の途中で倒産となったり、完成が半年以上ずれ込むなどの危険もあります。ただし、口コミサイトだと不確かな誹謗中傷もあるので、口コミサイトの情報だけは鵜呑みにしないようにしてください。

 

[図表2]安心な会社の見分け方

 

 

飯村 真樹

株式会社ファーストステージ代表取締役

一級建築士

 

100年使える住宅で暮らす 後悔しないための資産を守る家作りの方法

100年使える住宅で暮らす 後悔しないための資産を守る家作りの方法

飯村 真樹

WAVE出版

一戸建て注文住宅でなるべく質の高い家、長持ちする家を持ちたいと考えている20代、30代、40代の男女に、100年住むがことができ、トータルコストも安くなる性能の高い家の作り方を提案する。 長寿命住宅なら、結果的に自由に…

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