住宅会社の構図
日本には工務店が3~5万社あるといわれています。その中には、大手の下請けしかしない会社もあれば、リフォーム専業の会社もあるでしょう。
個人的には、日本の新築を自社で受注して建てている工務店は全国で2万社程度ではないかなと思っています。人口でいえば5,000人に1社くらいでしょうか。現在、人口の0・8%くらいが新築の着工棟数ですから年間の受注棟数は1社当たり40棟くらいでしょうか。
もちろん、これは平均値で、最大手の一条工務店は年間に1.3万棟を建築しています。ですから、地方の工務店の実態としては、平均着工棟数は3~5棟あたりになると思います。
筆者の会社では、茨城県で70棟以上、関東圏全体で120棟以上の新築を受注しますが、これでも最大手ではないのが、面白いところです。つまり、年間1~2棟ぐらいの工務店から、20~30棟の中堅のハウスビルダー、そして、100棟を超えている地方の有力ビルダーという大まかに3つくらいの工務店のカテゴリーがあって、その上に全国規模の企業があるのが、住宅建築会社の構図です([図表1]参照)。
これだけ規模の差があるのに、提供している商品は同じようなものというのは、建築業のほかには飲食業くらいしか思い浮かびません。自動車は会社が10社以下ですし、携帯電話、家電製品も同じです。唯一、住宅だけが工業製品として、これだけ高額のものがさまざまな企業によって販売されているわけです。
そのため、住宅会社の選び方は非常に幅が広いのが現実です。