税務調査官「これは追徴課税とれるぞ」…相続財産は同額でも“税務調査の対象になる人”と“スルーされる人”の決定的な違い【税理士が解説】

税務調査官「これは追徴課税とれるぞ」…相続財産は同額でも“税務調査の対象になる人”と“スルーされる人”の決定的な違い【税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

税務署が税務調査に入った場合、そのうち追徴課税が必要になる確率は9割超と、「税務調査=追徴課税」といっても過言ではありません。できれば入られたくないと思ってしまいますが、「税務調査の対象になる人にはある特徴がある」と、多賀谷会計事務所の現役税理士・CFPの宮路幸人氏はいいます。今回は、相続税の税務調査において、行われる時期や方法、対象になりやすい人の特徴についてみていきましょう。

税務調査に入られやすい人の「3つ」の特徴

1.遺産総額が多い富裕層

やはり、遺産総額が多い富裕層には税務調査が入りやすい傾向にあります。税務署はKSKシステムなどで納税者の情報を管理しており、毎年提出される確定申告書などのデータなどを各人別に保管し、どのぐらいの財産を保有しているかを把握しています。

 

また、所得の合計額が2,000万円を超え、3億円以上の財産を保有している一定の富裕層は、所得税の申告書とともに「財産債務調書」を提出する義務があります。そのため、財産債務調書に記された金額と相続税の申告書とに差が生じている場合も、税務調査に入る可能性が高くなります。

 

税務調査の実施率は、平均して約12%前後です。コロナの影響でここのところ実施数が減っていたものの、また同程度に増加することが見込まれます。

 

また、国税庁の資料によると、遺産規模ごとの調査割合は、課税遺産総額が5,000万円未満の場合は1%未満とかなり少ないのに対し、5億円以上の場合約3件に1件以上の割合で税務調査に入られています。税務署としても税務調査を効率的に行うため、財産額が大きい人に重点的に税務調査を行っていることがわかります。

 

2.不動産より金融資産を多く相続した人

相続税の課税対象財産は、主に金融資産と不動産の2つに分けられます。このうち、不動産を多く相続した場合よりも、金融資産を多く相続した場合のほうが、税務調査が入りやすい傾向があります。

 

不動産の場合は財産評価の方法が複雑であり、その評価の仕方や解釈の違いから財産額について意見の相違が発生し、調査が長引くケ-スが少なくありません。しかし金融資産の場合、銀行等に問い合わせ、残高証明書を取得すれば財産漏れの確認が容易で明確です。したがって、不動産より金融資産を指摘したほうが、税務署からすると簡単に追徴できるといえます。

 

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