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日本を代表する高級住宅街「田園調布」の未来に黄色信号
日本にはさまざまな「高級住宅街」と呼ばれる街がありますが、その代表的といえるのが「田園調布」。知名度は全国区といっていいでしょう。
田園調布は、東京南西部、大田区に位置する街で、その中心となるのが田園調布三丁目に位置する「田園調布」駅。東急電鉄東横線と目黒線が乗り入れる、急行の停車駅。東横線は東京メトロ副都心線に乗り入れ、渋谷、新宿(三丁目)、池袋、さらには埼玉方面へ。また2023年3月に「日吉」駅と「新横浜」駅を結ぶ、東急新横浜線の開業に伴い、横浜方面のアクセスもバリエーション豊かになりました。目黒線は東京メトロ南北線と都営地下鉄三田線に乗り入れ、「溜池山王」や「永田町」、「日比谷」「大手町」などの都心にもダイレクトにアクセスすることができます。
東横線の複々線化事業に伴い、街のシンボルだった洋館風の駅舎は一度は解体。2000年に復元(駅舎としての機能はない)され、その前に広がる西口ロータリーと噴水、そこから広がる放射状と交差する同心円状の道路、銀杏並木は、街のシンボル。高級住宅街に相応しい雰囲気にひと役買っています。
美しい街並みは、「建物の高さは9m、地上2階まで」「土地は165平米以上」「ワンルームの集合住宅はNG」など、細かな規則が記された紳士協定「田園調布憲章」によって守られています。商業施設をつくることも制限されているため、スーパーはもちろん、自動販売機もありません。買い物が不便かといえば、渋谷にあった東急東横本店の外商がお世話をするから、特に困らないというのは住民の話。
一方、高級住宅街とされるのは、この西口エリアであって、その反対側には閑静ながらも、一般的な住宅街が広がります。2000年に誕生したショッピングセンター「東急スクエアガーデンサイト」のほか、飲食店も豊富。西口にはなかったコンビニも、東口にはちゃんとあり、ひと通りの買い物は東口エリアですますことができるでしょう。
このような日本を代表する高級住宅街である「田園調布」ですが、いま、崩壊の危機にあると囁かれています。その原因が、田園調布を高級住宅街たらしめる、ローカルルールの紳士協定だというから、なんとも皮肉な話です。
住民が亡くなり、代替わりとなったとき、土地が広すぎて相続税が払えないというケースが増えているといいます。土地が広すぎてそのままでは不動産会社には見向きもされず、かといって、(そのあとの住民トラブルなど考えると)分割した土地でも買いたくない、というのです。結局、空き家が増えていき、ゴーストタウン化。街並みが崩壊してしまうのでは……そんなことが危惧されています。
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